GoTo MKTOPphysical illnessPC版へ移動Now Mob

[ Physical Illness ]

* Heart Failure *


[ Hit a button for Quick Look!! ]


この疾患の概要です

 心臓は一定のリズムを刻みながら身体の隅々まで血液を送り届けていますが、この心臓のポンプ機能がうまく働かなくなった状態が〔心不全〕です。

 〔心不全〕は病名ではなく、衰えた心臓の状態をあらわす症状名です。



 〔心不全〕は放置すれば生命を危うくしますが、初期段階で発見し、薬物治療やペースメーカーなどによる適切な治療をすれば、普通の生活を営むことができるようになります。

 現在、日本での心不全患者数は、約160万人と推定されています。

 心不全の原因とその症状例を下の表に示します。

心不全の原因と症状
心筋の障害 ・狭心症
・心筋梗塞
・心筋症
・心筋炎など

心臓への過負荷 ・高血圧
・心臓弁膜症
・先天性心疾患など

不整脈 ・洞機能不全
・頻拍症
・心房細動など

慢性的低酸欠状態 ・貧血
・慢性肺疾患など

代謝異常 ・甲状腺機能亢進・低下など




 心不全の症状を4段階に分類したニューヨーク心臓病協会のランクで、重症度IV度になった心不全患者の2年後の生存率は50%、3年後生存率はわずか30%しかありません。


back to pagetop
Overview
〔心不全という病気〕

 原因のいかんに関わらず全身が必要とするだけの十分な血液量を供給しきれない状態を心不全といいます。

 心不全はいろいろな原因で起こります。血管が詰まるような狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症などの心臓病に過労やストレスなどが加わって起こることもあれば、高血圧や全身の動脈硬化、不整脈が原因で起こることもあります。

 心不全になると、いろいろな臓器への血液量の不足による酸素不足のために、息切れしたり疲れやすくなったりします。

 毛細管まで十分な血液が供給されなくなるので、手足の先が冷たくなったり、肌色が悪くなったりもします。

 心不全は、その発症が急激であれば急性心不全と呼ばれ、徐々に発生し持続的であれば慢性心不全と呼ばれます。

 一般に心筋梗塞による心不全は急性心不全で、心筋症や心臓弁膜症での心不全は慢性心不全となります。


back to pagetop
Symptom
〔心不全の症状〕

 血液の流れが悪くなることで臓器ではうっ血が起こり、足の甲やすねの辺りがむくんだりします。

 更に症状が進行すると、安静にしていても息苦しくなったり呼吸困難になったりします。

 重症になると、横になるだけで肺のうっ血が酷くなるため、座ったままの姿勢で座位呼吸を必要とすることがあります。

 更に動悸、浮腫、チアノーゼなどの症状が認められます。

 心不全の原因が、主に左心室の機能不全であって、左心房・左心室が体循環に必要な十分な血液を拍出できない病態を左心不全と呼びます。

 また、肺循環を担当する右心房・右心室が十分な拍出量を保てない病態を右心不全と呼びます。左右どちらの心房・心室が原因かにより現れる症状も異なります。

 ニューヨーク心臓病協会により日常生活でどのような症状がでるかを分類した心機能分類(NYHA)を下表に示します。

ニューヨーク心臓病協会による心機能分類(NYHA)
〔NYHA I 度〕

 心疾患があるが日常の労作で症状はでないもの。通常の日常生活は制限されない。心不全であることを自覚していない人もいる。

〔NYHA II度〕

 心疾患患者で日常生活が軽度から中等度に制限されるもの。安静時には無症状だが、階段や坂道を上るなどの比較的軽い労作で疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛などの症状を生じる。

〔NYHA III度〕

 心疾患患者で日常生活が高度に制限されるもの。安静時は無症状だが、平地の歩行や日常生活以下の労作によっても症状が生じる。

〔NYHA IV度〕

 心疾患患者で非常に軽度の活動でも何らかの症状を生ずるもの。安静時においても心不全・狭心症症状を生ずることもある。動くだけで症状が悪化する。



back to pagetop
cause
〔心不全の原因〕

 心不全は単一の病気や病名ではなく、虚血性心疾患や、その他の心臓病が原因となり心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器に必要十分な血液が運ばれなくなった状態の総称です。

 多くの心臓病が心不全の原因となりますが、典型的な原因病名は心筋梗塞、弁膜症、高血圧による心肥大 (高血圧性心疾患)、不整脈、心筋症,肺高血圧症などです。

 初期の心不全では安静時には何も症状がなく、運動をすると息切れしたり呼吸困難になったりする労作時息切れ現象が現れます。

 病状が進行になるに従い軽い運動でも症状が出るようになります。重症になると安静時にも息切れするようになり、非常に危険な状態といえます。

 心不全を招く原因疾患を以下の表に示します。

心不全を招く原因疾患と憎悪因子
〔原因疾患〕

・高血圧
・冠動脈疾患
・先天性心疾患
・弁膜疾患
・心毒性(アントラサイクリン系・エタノール)
・心外膜疾患
・内分泌疾患(甲状腺疾患・糖尿病)
・炎症性疾患(感染・自己免疫疾患)
・浸潤性疾患(アミロイドーシス・ヘモクロマトーシス・サルコイドーシス)
・特発性心筋症

〔増悪因子〕

・塩分過剰摂取
・心機能抑制薬物の使用(Ca拮抗剤・βブロッカー・抗不整脈剤・造影剤)
・Na貯留作用を持つ薬剤(ステロイド・消炎鎮痛剤)
・発熱
・過労
・低蛋白血症
・貧血
・妊娠
・肥満
・甲状腺機能亢進
・全身性疾患(肺疾患・腎疾患)
・ストレス(感情的・身体的・環境的)
・不整脈
・解剖学的異常(動静脈瘤・心室瘤・大動脈縮窄症)
・その他基礎疾患の併発



back to pagetop
Diagnosis
〔心不全の診断〕

 心不全が疑われる場合には、先ず心エコー検査によって診断されます。

 心エコー検査とは、超音波検査のことで腹部に超音波を当てて、そこからの反射音を画像化するシステムです。

 心エコー検査は、心臓の大きさと機能を示せる最も有用な検査法で、エコーによって、心不全をもたらしている原因疾患を調べることができます。

 超音波による心エコー検査以外にも、胸部レントゲン写真、心電図検査やMRI検査、肺動脈カテーテル検査などの方法があります。

 胸部レントゲン写真では、心陰影の拡大、肺のうっ血像、胸水の貯留などが調べられます。

 心電図検査は心臓の電気的活動の異常検出に役立ちます。

 MRI検査は心臓の非常に詳細な画像情報を作成する能力があり、診断の確定に役立ちます。

 肺動脈カテーテル検査は侵襲性の強い検査方法になりますが、心機能を連続的に測定できる検査法です。


back to pagetop
treatment
〔心不全の治療方針〕

 心不全は心臓の働きが何らかの原因で低下して起こす病気なので、先ずはその原因となる病気や疾患を治療することから始まります。

 高血圧や糖尿病、高脂血症など生活習慣病は心不全と合併することが多いので、これらの治療が不可欠です。

 日常生活上の心不全の治療としては、心臓負担の軽減、薬物による治療、食塩制限による食事療法が3原則とされています。

 狭心症や心筋梗塞が原因であれば、冠動脈にステントと呼ばれる血管を広げる固定具を挿入したり、冠動脈のバイパス手術など外科的手術が必要となる場合もあります。

〔心不全の薬物療法〕

 慢性心不全の治療法は、心不全の症状を軽減したり症状がでないようにする薬物療法が行われます。症状に応じて、体内の余分な水分を除去する利尿薬、心臓の拍出量を改善する強心薬、血管拡張薬、β遮断薬などが使用されます。

〔カテーテル・ステントによる治療〕

 心不全の直接原因が狭心症や心筋梗塞の場合、冠動脈内にカテーテルと呼ばれる風船を挿入したり、ステントと呼ばれる小さな筒状の金網を挿入する方法が使われます。

 カテーテルによる治療方法は、比較的軽症の患者に適用されますが、狭心症や心筋梗塞の直接原因である傷んで狭くなった冠動脈の病変部内部に直径2~4ミリ、長さ20ミリくらいの小さな風船を挿入し膨らませて、冠動脈を内側より拡張する方法です。

 風船は血管を広げた後で縮ませて抜き去ります。

 ステントによる方法は、冠動脈内に小さな筒状の金網を血管の内部に入れて膨らませて血管を広げ、そのまま固定的に入れておく方法です。

〔外科手術〕

 更に重症の患者には冠動脈バイパス手術という、大掛かりな外科治療が必要となります。

 この方法では、狭くなった血管部分や、閉塞した病変部の先に、別の血管を繋いで血液の流れをよくする血液のバイパス路をつくる方法です。

 以前には、人工心肺を使いながら心臓を完全停止させてこの手術は行われましたが、最近の医学の進歩で、現在では心臓を停止させることなく手術することが可能となっています。

 とはいえ、いずれにしても極めて高度な設備とテクニックが必要な手術に違いはありません。

ページのトップへ戻る