心不全は心臓の働きが何らかの原因で低下して起こす病気なので、先ずはその原因となる病気や疾患を治療することから始まります。
高血圧や糖尿病、高脂血症など生活習慣病は心不全と合併することが多いので、これらの治療が不可欠です。
日常生活上の心不全の治療としては、心臓負担の軽減、薬物による治療、食塩制限による食事療法が3原則とされています。
狭心症や心筋梗塞が原因であれば、冠動脈にステントと呼ばれる血管を広げる固定具を挿入したり、冠動脈のバイパス手術など外科的手術が必要となる場合もあります。
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慢性心不全の治療法は、心不全の症状を軽減したり症状がでないようにする薬物療法が行われます。症状に応じて、体内の余分な水分を除去する利尿薬、心臓の拍出量を改善する強心薬、血管拡張薬、β遮断薬などが使用されます。
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心不全の直接原因が狭心症や心筋梗塞の場合、冠動脈内にカテーテルと呼ばれる風船を挿入したり、ステントと呼ばれる小さな筒状の金網を挿入する方法が使われます。
カテーテルによる治療方法は、比較的軽症の患者に適用されますが、狭心症や心筋梗塞の直接原因である傷んで狭くなった冠動脈の病変部内部に直径2~4ミリ、長さ20ミリくらいの小さな風船を挿入し膨らませて、冠動脈を内側より拡張する方法です。
風船は血管を広げた後で縮ませて抜き去ります。
ステントによる方法は、冠動脈内に小さな筒状の金網を血管の内部に入れて膨らませて血管を広げ、そのまま固定的に入れておく方法です。
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更に重症の患者には冠動脈バイパス手術という、大掛かりな外科治療が必要となります。
この方法では、狭くなった血管部分や、閉塞した病変部の先に、別の血管を繋いで血液の流れをよくする血液のバイパス路をつくる方法です。
以前には、人工心肺を使いながら心臓を完全停止させてこの手術は行われましたが、最近の医学の進歩で、現在では心臓を停止させることなく手術することが可能となっています。
とはいえ、いずれにしても極めて高度な設備とテクニックが必要な手術に違いはありません。
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