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[ Physical Illness ]

* Illness of Respiratory Organ *
Pulmonary Emphysema


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この疾患の概要です

 呼吸器の病気である〔肺気腫〕は、肺の中でガス交換の作用を行う肺胞組織が喫煙などの原因で破壊されたために起こる疾患です。

 初期段階では、軽い運動をするだけでも息切れするようになります。

 病状が進行してくると、階段を昇降だけでも息苦しくなったり、衣服の着替えも困難になるなるなどの重い症状が出てきます。



 真の原因は不明ですが、長期にわたる喫煙癖や大気汚染などが深く関係しています。

 肺気腫患者の90%以上は喫煙者であることから分かります。

 しかし、〔肺気腫〕になるのは、全喫煙者の20%くらいであることから、タバコ感受性遺伝子も関与していると考えられています。



 〔肺気腫〕は、中年以降の男性に多く発症し、上記のように喫煙との関係が極めて深いです。

 近年増加傾向にあり、男女比では、男2.5~10人に対して女性1人の割合です。


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Overview
〔肺気腫という病気〕

 肺は肋骨と筋肉で構成された胸郭の中にあり、この納まっている空間のことを「胸腔」と呼んでいます。

 簡単にいえば、レントゲン写真で肋骨の内部に写った部分が胸腔です。

 喉から通じる気管は、胸腔に入り枝分かれして気管支となり、最後に何億個ものブドウの房のような形の肺砲になります。

 この肺胞で外から吸い込んだ新鮮な空気から血液中に酸素を取り込み、体内で排出された二酸化炭素との交換作用を行っています。

 肺気腫は、肺砲の細胞が壊れながら、隣り合った肺砲どうしが膨張しながらどんどんとくっつき合い、大きな気腔を形成することで、大事なガス交換ができにくくなる病気です。


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Symptom
〔肺気腫の症状〕

 簡単にいえば、肺気腫とは、呼吸細気管支と肺砲が膨張し破壊される病気で、これは徐々に進行し、やがて肺胞はブラと呼ばれる袋を形成してしまいます。

 肺全体が拡大することで、呼吸筋である横隔膜を押し下げられたり、心臓が圧迫されるようになります。

 息を吸い込むときに肺に空気は入っていきますが、肺からの空気がうまく吐き出せなくなります。

 この病気が進行すると、ちょっと身体を動かすだけで息切れや呼吸困難の症状が現れ、入浴中や労作業時には更にこの傾向が強まります。

 息切れは身動時に強くなり、休むと少し良くなります。その後、咳、痰、むくみ、頭痛の症状が現れ、太鼓を打つときのバチのような指やチアノーゼの症状がでてきます。

 病状が更に悪化すると、胸郭が前後に張り出し胸の形状が樽状になって、口をすぼめて静かに息をするようになります。

 安静にしているときも、平地を静かに歩くときも呼吸困難を生じます。

 肺気腫は、中年以降の男性に多く発症し喫煙との関係が極めて深いです。また、近年増加傾向にあります。


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cause
〔肺気腫の原因〕

 肺気腫の真の原因は、よくわかっていません。しかし、肺砲組織が破壊されることで起こる病気であることから、喫煙と大気汚染などが重大にかかわっていると考えられています。

 現に、肺気腫患者の90%以上が喫煙者で、特に30%は一日30本以上のヘビースモーカーです。

 しかし、肺気腫になるのは、ヘビースモーカーの20%程度しかないことから、タバコに関連して肺気腫となる、喫煙感受性遺伝子を保有する人だけが肺気腫になるとも考えられます。

 逆に言えば、このような遺伝子を持つ人がベビースモーカーになれば、肺気腫を発病する確率は極めて高くなると考えられます。

 現実的には、直接の原因は肺組織の老化などによる破壊です。

 それを引き起こすのは、遺伝的な素質に加わって、大気汚染や喫煙などの継続的な刺激が、何十年も積み重なって病巣が形成され、肺胞細胞が破壊され続けるためです。

 通常、40~50歳代になって発症します。

 一度発病してしまうと、禁煙しても病気の進行は止まりません。しかし、喫煙を続けていると、病状の急激な進行が予想されるので、即時禁煙は欠かせません。

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診断はどうやりますか?
〔肺気腫の診断〕

 肺気腫で現れる、息切れや呼吸困難の症状は、他の呼吸器の病気でも認められる症状なので、肺気腫の診断には、胸部X線検査、呼吸機能検査(肺機能検査)および血液検査が必要です。

 肺気腫の胸部X線検査では、胸郭のビール樽様変形、血管影の低下、横隔膜の平低化、肋骨間の開大、中心部肺血管の圧迫と心臓の圧迫などが認められます。

 X線検査でこの様な異常が認められれば、更に詳細を調べるためにCT検査(コンピュータ断層撮影)を行うこともあります。

 呼吸機能検査では、1秒間に空気を吐き出す速さ、その後の呼気の変化、肺活量などを測定します。通常、肺機能が低下してくると、体内に取り入れる酸素量が減少するので、血液中の酸素濃度も調べます。

 肺気腫の確定診断は、肺の組織を採取し、顕微鏡で観察して、肺線維化がなく、呼吸細気管支壁または肺胞壁の破壊と拡張が病理形態的に確認されて、決定されるべきものです。

 しかし、組織の採取は、患者の身体的苦痛が大きいことから、通常は、胸部X線検査、CT検査、呼吸機能検査、および血液検査の結果を総合的に判断して診断されます。


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treatment
〔肺気腫の治療方針〕

 一度破壊されてしまった肺胞は、決して元に戻すことはできません。

 そのため肺気腫の治療は、肺機能のこれ以上の悪化を防ぐこと、病気による症状を軽減することが主な目標となります。

 この病気の原因に大気汚染や喫煙が深く関係していることから、空気環境のいい場所への移動や禁煙などが先ず必要です。

 その上で、薬物療法を行います。また、重症の場合で血中酸素濃度が不足するときには、在宅での酸素療法が必要となることもあります。

肺気腫の治療法
〔禁煙〕

 肺気腫の治療に、禁煙は無条件に必要です。

〔薬物療法〕

 薬物療法の目的は、気管支を広げ、炎症を抑制し、痰の切れをよくすることです。そのために、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド薬、去痰薬などを服用したり吸入したりします。

〔在宅酸素療法〕

 重症であって、薬物療法だけでは十分に回復せず、息切れや呼吸困難の症状が続く場合には、在宅酸素療法を行います。

 酸素発生装置を自宅に設置し、24時間、酸素を吸入します。

 また、外出が必要なら、携帯用酸素ボンベを使用します。


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