逆流性食道炎の治療には、基本的に次のような治療方法があります。
・生活習慣の改善
・薬物療法
・手術療法
・精神的治療法
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逆流性食道炎の治療や緩和の最初に行うべきことは、悪い日常生活の改善です。
食生活では、極端に欧米化した食生活を避け、食べる量も暴飲暴食を控え、胃への刺激が少ないものを腹八分目というのが安心です。
食事では、脂肪分の多い食物、チョコなどの甘いもの、柑橘類、コーヒーや紅茶、香辛料、アルコール類、タバコなどは胃酸の分泌量を増やしたり、胃内での食物の停滞時間が長くして、逆流を起こしやすくします。
食後すぐ横になると、逆流しやすくなるので、食後1~2時間は座って過ごし、寝た後で症状が強くなる人は、上体を少し高めにして寝ると緩和されます。
また、寝るときの姿勢は右を下にするとよいといわれます。うつぶせ寝は駄目です。
腹圧の上昇も、胃を圧迫して胃酸を逆流させる原因となるので、ベルトの締めすぎや、無理な姿勢で重量物を持たないなどが重要です。
前屈みの姿勢、排便時の力み、肥満は勿論よくありません。
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薬物療法では、あくまでも症状を緩和する対症療法として、主に飲み薬が使用されます。
使用される薬は「胃酸分泌抑制剤」「消化管運動機能改善剤」「制酸剤」「粘膜保護剤」などです。
一般的には、症状に応じて、これらの薬を組み合わせて使用します。
薬の服用は医師の指導に基づき用法・用量を正しく守ることが重要です。
尚、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌の除菌療法は、逆流性食道炎には効果はありません。
・最も効果が強いプロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与
・H2ブロッカーの併用
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・食道の運動機能を改善し、胃酸の逆流を生じにくくする。
・消化管の運動を活発にし、胃内食物の滞留時間を短縮する。
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・胃酸を中和して症状を軽減する。
・速効性はあるが作用時間が短い。
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・食道の粘膜を保護する。
・炎症を起こした粘膜を修復する。
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薬物療法で効果がない場合や重症のとき、外科的手術という方法もありますが、一般的ではありません。
どうしても外科手術を行うときは、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの方法が採用されます。
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原因がはっきりしない場合には、ストレスによって発症する例が多くなるため、薬物療法に加えて精神科的治療も行うこともありますが、治療は長期間かかります。
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