この病気の診断は尿中に漏洩する糖分の測定も行われますが、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を調べることで行われます。
血糖値は、正常な状態であれば一定の範囲内に調整されています。
しかし、インスリンが必要なだけ分泌されないか、または必要なだけ消費されない場合には、血糖値が上昇し糖尿病となります。
糖尿病は病状が相当進展してしまって初めて自覚症状がでる病気です。
逆にいえば、初期の段階ではまったく自覚症状が現れない怖い病気なのです。
病気が相当進行してくると、のどの渇き、多飲、多尿、倦怠感などの症状がでてきます。
糖尿病の診断には、先ず定期的な健康診断などで血糖値をチェックすることが必要です。
糖尿病の検査診断には、通常、次のような3つの検査診断方法が使われます。
・早朝空腹時血糖値
・OGTT 2時間値
・随時血糖値
これらの検査のどれかに異常値が出れば、再検査します。再検査で同様な結果が出れば糖尿病と診断されます。
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早朝空腹時血糖値とは、前日の夜9時以降、水分以外の飲食を抜いた状態で、8時間以上の絶食後、早朝に採血した血糖値のことです。
OGTT 2時間値とは、ブドウ糖負荷試験の略号で、ブドウ糖75mgを含むシロップを飲み、2時間後に採血した血糖値です。
食後の血糖値を想定しています。随時血糖値とは、食事の時間と関係なく随時に採血したときの血糖値で、食事の2時間後くらいであれば高い値がでます。
上の図で説明しますと、正常な血糖値の範囲は、空腹時血糖値が110mg/dL 未満で、かつ、OGTT 2時間値が140mg/dL 未満のときです。
これより外の領域で、空腹時血糖値が126mg/dL 未満で、かつ、OGTT 2時間値が200mg/dL 未満ならば境界型と呼ばれ、糖尿病予備軍となります。
これより更に外の領域、早朝空腹時の血糖値が126mg/dL 以上の場合や、OGTT 2時間値(随時血糖値)が200mg/dL 以上の場合は、糖尿病と診断されます。
糖尿病と診断された場合は、更に1型糖尿病か2型糖尿病かの精密検査を受けることになります。
糖尿病の最も恐いことは、他の重大な病気との合併症で、視力障害、腎臓障害、神経障害などを起こすことです。
ときには、意識障害も起こります。このような合併症を起こさないようにする為には、血糖マーカーと呼ばれる検査項目、ヘモグロビンA1cというものがあり、このマーカー値を6.5%未満にすることが必要とされています。
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