甲状腺ホルモンが不足すると、症状は徐々に進行する形で、身体全般の機能が低下していきます。脈拍は遅くなり、手のひらと足の裏がちょっと黄色味も帯びてきます。
目と顔が腫れぼったくなり、まぶたが垂れ下がり、眉毛の外側三分の一ほどが抜けて、無表情になります。話し方は緩慢となり、かすれ声になります。
体重が増加し、便秘や冷え性を訴えるようになります。毛髪は薄くて粗くなり、皮膚は乾燥し、きめが粗くなり、うろこ状に厚くなります。
高齢者の場合には、錯乱、もの忘れ、痴呆、うつ状態などの症状がでてきます。
全身症状 |
全身倦怠、無気力、元気がなくなる、疲れやすい、脱力感、寒がり、体重増加、食欲低下、便秘、高コレステロール血症、貧血、痴呆症状
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循環器症状 |
脈拍数が遅い、徐脈、不整脈、心不全、息切れ、胸痛、むくみ、心電図異常、心肥大
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消化器症状 |
食欲低下、便秘、肝臓障害(AST、ALT、LDH、γ-GTP上昇)
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精神症状 |
記憶力低下、集中力低下、動作が緩慢、痴呆ではないが、一見痴呆と間違われる症状、無気力、痴呆、うつ状態
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皮膚症状 |
発汗低下、皮膚乾燥、黄色皮膚(カロチン血症)、毛髪脱毛
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顔面症状 |
腫れぼったい顔、大きな口唇や大きな舌、白髪が増加、脱毛、眉の外側三分の一が薄くなる、難聴、耳鳴り、めまい、声の低音化、しわがれ声、声がれ
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下肢症状 |
下肢のむくみ(押してもへこみが残らない状態)
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筋肉症状 |
筋肉痛、関節痛、筋力低下、けいれん、こむら返り
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女性症状 |
月経過多、無月経
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甲状腺機能低下症を放置すると、コレステロールの増加や動脈硬化を促進し、動脈硬化性疾患である心筋梗塞や脳梗塞の危険性が増大します。
体のむくみなどが悪化し、心臓周辺に水が溜まって、心不全になることもあります。
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