外耳道炎の治療に用いられる医薬には、耳の痒みを抑える「痒み止め薬」や耳の痛み止めである「鎮痛剤」、炎症を抑制する「抗生物質」、そして病原菌を退治する「抗真菌薬」などがあります。
消毒 |
通常の治療法としては、先ず耳垢を取り去り外耳道内を消毒し、清潔にします。
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痛み止め |
耳の痛みがある場合には、鎮痛剤を服用して痛みを抑えます。
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炎症の抑制 |
炎症が広がったりした場合には、抗生物質やステロイド剤の入った軟膏を塗布します。
また「点耳薬」といって目薬みたいに耳に液体の薬を指すものもあります。症状により抗生物質やステロイド剤を服用することもあります。
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通常、これらの治療をすれば、一週間ほどで膿が破れて出てきて症状は軽快しますが、症状が完全になくなるまで行わず中途半端で治療を止めてしまうと、炎症が骨の内部にまで及ぶことがあるので注意が必要です。
軽快した後は、再発防止のためにも耳掻きや綿棒の使用を必要以上にしてはいけません。
耳をきれいにしようとして執拗に外耳をこすり掃除をすると、逆に外耳道内に傷を作り細菌感染を起こしやすくなります。
健康状態なら、耳垢は自然に剥がれ落ちるので、耳掃除を頻繁にやる必要はありません。
なお、次のような難治性の合併症を伴う症状では、慎重な治療が必要となります。
外耳道湿疹 |
アレルギー体質やシャンプー・化粧品・洗剤などの化学的刺激により外耳道内に湿疹がでる場合、ステロイド軟膏の塗布や抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の内服が有効です。
しかし、抗生物質や消毒薬は湿疹を更に悪化させることがあります。
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外耳真菌症 |
外耳道に水虫と同様な真菌が蔓延るばあい、強い痒みが生じるので、これを掻き毟ると二次感染を起こし更に症状が悪くなります。
抗真菌薬や抗生物質、ステロイド剤の混合軟膏で症状は改善しますが、症状が改善したら、抗生物質やステロイド剤の使用は直ちに中止しなくてはいけません。
これらの医薬は真菌を増殖させる原因となるからです。
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悪性外耳道炎 |
悪性外耳道炎の発症頻度は低く滅多に起こりませんが、いったん罹ると症状は進行するので注意が必要です。
多くは、緑膿菌の感染によるもので、外耳道の皮膚や軟骨、骨を破壊してしまいます。
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