耳が痛くなり耳だれが出るなどの症状が出たら、先ずは自宅で「応急処置」として氷などで耳を冷やします。
次に、病院での診察を受け、抗生物質などによる「薬物療法」で治療を受けます。膿の症状が激しい場合には「鼓膜切開」などの処置をしてもらいます。
一般に乳幼児などが発熱すると小児科に受診することが多いですが、中耳炎の症状の激しいものでは小児科での治療は完璧にはできないこともあります。
中耳炎の疑いが強いと思ったときは、耳の検査機器や治療設備も完備している、耳鼻科で診てもらった方がより適切な処置が可能となります。
また、中耳炎は、2歳以上になるとだんだん罹りにくくなりますが、繰り返し罹り慢性化することもあります。
耳は大切な器官であり、中耳炎は難聴の原因になることがあるので、最初に罹ったときにしっかりした治療をしておかなくてはなりません。
治療を中途半端にしてしまうと、稀ではあるものの、顔の筋肉を思うように動かせなくなる「顔面神経麻痺」、耳の後ろの骨にまで細菌が侵入する「乳様突起炎」、および「髄膜炎」「滲出性中耳炎」などに進行してしまうこともあります。
万が一鼓膜に欠損ができてしまうと、難聴にもなりかねません。
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乳児などが耳を痛がる場合の自宅での応急処置は、先ず耳の湿布や氷のうなどで耳を冷やすことです。
氷は冷たいので、湿布の上から冷やすか、タオル1枚くらいで包んで極端に冷たくしないように注意します。耳を冷やすことで痛みの症状が和らぐことがあります。
自己判断での医薬の使用は問題もあるのですが、夜間などに高熱が出てしまい、止むを得ない場合には、解熱剤を使うことも必要です。
通常、解熱剤には鎮痛効果の作用もあるので症状を和らげてくれます。
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中耳炎の症状にもよりますが、程度が軽ければ、抗生物質の内服で炎症も鎮まり、鼓膜内部に溜まった膿も鼻の奥に自然に抜けてしまいます。
中耳炎はしばしば風邪と合併して発症するので、そのようなときは風邪の治療と同時に抗生物質の投与を行います。
抗生物質の投与には、全身的なものと炎症の起こっている部位にだけ投与する局所的なものとがあり、症状の程度により使い分けられます。
重症になり膿の蓄積量が非常に多い場合には、抗生物質の内服や点滴だけではなかなか膿が抜けきれず、熱も下がりにくくなります。
この場合は、鼓膜を切開して膿を抜き去ることが必要かも知れません。
炎症を抑えるために投与される医薬には、非ステロイド系非ピリン系の抗炎症解熱鎮痛剤アセトアミノフェンなどが用いられます。
また、原因がアレルギー性であれば、抗ヒスタミン剤も使用されます。
物質名
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薬品名
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商品名
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抗炎症解熱鎮痛剤
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アセトアミノフェン (パラセタモール)
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・ピリナジン(山之内)
・カロナール(昭和薬化工)
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抗生物質など
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アモキシシリン
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・アモリン(武田)
・サワシリン(昭和薬品加工-藤沢)
・パセトシン(協和発酵)
・ワイドシリン(明治製薬)
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塩酸タランピシリン)
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・ヤマシリン(山之内)
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抗生物質などによる治療でも膿が排除できないとき、あるいは耳の痛みが激しく、抗生物質による膿の排除や発熱の低下も困難と思われるような重症時には、鼓膜切開による治療が考慮されます。
放置しておいても最終的には鼓膜が破れて内部の膿が耳だれとして流れ出してしまうと、熱も下がり痛みもなくなって治癒しますが、切開したときに比較して鼓膜の傷みも激しくなるので、重症時にはやはり鼓膜切開も決心する必要があります。
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