鼓膜所見 |
慢性中耳炎の最大の特徴は、鼓膜に穴が開いていることなので、先ずは手術用顕微鏡や拡大耳鏡を用いて鼓膜を詳細に観察します。
鼓膜内部に膿があるか、鼓膜に穴があるか、穴があるなら穿孔の大きさ、位置、発赤の有無、肥厚、石灰化などを調べて、現在の症状の程度や現在までの炎症の程度を診断します。
また、鼓膜の穿孔の大きさや位置から、慢性中耳炎以外の病気の可能性がないかどうかも調べます。
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聴力検査 |
純音聴力検査法により、難聴の程度を測定します。伝音難聴なのか、伝音難聴と感音難聴の両者が起こっている混合難聴状態なのか診断します。
伝音難聴だけであれば、鼓膜に穴が開いていることにより起こっている難聴だと診断されますが、混合難聴の場合には、鼓膜の穴だけに基づく難聴ではなく、内耳障害を伴う難聴だと診断されます。
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細菌検査 |
耳だれの細菌検査を行い、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの原因細菌を検出します。細菌の種類により、治療に最適な抗生物質薬の選定に役立たせます。
特に耐性菌が存在しないかは薬剤決定に重要な情報となります。
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X線写真・CT検査 |
X線写真やCT検査により、炎症の程度の判定や、病変がどこにあるか、耳小骨の変形の有無などを確認します。
外科手術の必要性や手術方法の判断をするために不可欠な情報となります。
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パッチテスト |
パッチテストは、鼓膜の穿孔部に油紙や和紙などを貼って塞ぎ、貼る前と貼った後での聴力の差を調べることで、中耳内にある三つの耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)の伝音機能が正常かどうか調べます。
これは中耳機能検査といいます。
同時に、鼓膜を塞いだ前後での音の伝わり方の解析から、混合難聴の程度を測定することができます。
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