口の中には、リンパ組織であるいくつかの扁桃があり、アデノイドもそのひとつで正式名は「咽頭扁桃」と呼ばれます。
アデノイドは、喉の奥の上部、のどちんこの後ろ側で普段は見えにくい位置にあるリンパ組織です。
人は乳幼児期には免疫システムが未熟なので、口や鼻から侵入する病原体に対する免疫を早く勝ち取るために、生理的な作用として各扁桃組織は乳幼児期~小児期に大きくなり活発に作用します。
アデノイドは4~6歳ころ最大となり、10歳を過ぎると急速に退縮し、思春期以降にはほぼ消滅します。
アデノイドが大きくなっただけであれば、病気とはいえないません。しかし、アデノイドの肥大が著しくなると鼻、耳、喉に異常を起こし、更に全身的な症状が出現してきます。
これがアデノイド肥大と呼ばれる幼児期から小児期にかけての疾患です。アデノイド肥大の医学的な正式名は「咽頭扁桃の増殖肥大によりなんらかの障害を来たす場合」という風になっています。
アデノイドは鼻の後ろ側に位置するために肥大すると、鼻の奥が詰まったような状態になり、鼻呼吸が困難になり常に口呼吸をするようになります。
この他、鼻、耳、喉、全身的な異常など多くの症状を引き起こすようになります。
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