免疫のシステムを理解するためには、血液やリンパ液の構造、機能などを知ることが不可欠です。ここでは、先ず、血液の構成がどのようになっているかを勉強します。
血液は、大きな分類として「細胞成分(血球成分)」と「血漿」とから構成されています。
細胞成分は「赤血球」「白血球」および「血小板」とから成ります。
この中で、白血球は「リンパ球」や「単球」などからなりますが、単球は「貪欲細胞」とか「マクロファージ」と呼ばれるもので、リンパ球とマクロファージとは、免疫機能に大きく関係しています。
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ある種の物質の摂取や物質との接触により、体外から人体内へ侵入する異物に対して、体内の免疫反応は、異物を撃退するための「抗体」を作ります。
既に抗体のある物質が二度目以降に再摂取されたり、再接触されると「抗体抗原反応」が起きて、その異物を排除しようと作用します。
アレルギー症状とは、この抗体抗原反応が過剰に反応し、異常に強く出すぎてしまうことで人体に打撃を与えてしまう状態をいいます。
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ひとくちにアレルギーといっても、アレルギー反応は一様ではなく、抗原(アレルゲン)の侵入によって産生されアレルギー反応を起こす物質の違いで、「I型」~「IV型」という四つのタイプの分類されます。
アレルギー反応を起こす物質は「I型」~「III型」では体内に産生される「抗体」であり、「IV型」では「感作T細胞」という細胞が原因となります。
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外部から体内に侵入して、アレルギー反応を引き起こす原因となる物質を「抗原」と呼びます。
「IgE抗体」と反応して、「I型アレルギー疾患」を引き起こす物質を「アレルゲン」と呼び、大きく分けて「吸入性アレルゲン」「食品性アレルゲン」および「薬物性アレルゲン」の三つの種類があります
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日常生活の中で、アレルギー体質という言葉をよく耳にします。
一体「アレルギー体質」とはどんなものなのか知れべてみても中々正解というものは見つかりません。
簡単にいえば、アレルギー体質とは、「アレルギーになりやすい体質」あるいは「アトピー体質」だといえます。
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人体には、外部から侵入する食品や細菌、ウイルスなどの異物に対して抗体を作り、生体を防御する免疫反応機構があります。
侵入物が食料などで生体にとって有益であるなら何事も起こさないで、もし異物が生体にとって有害ならこれを撃退する機能です。
しかし、本来なら生体に無害であるべき侵入物に対して、免疫機構が異物が外敵であると勘違いして、自分自身を攻撃してしまうのがアレルギー反応です。
アレルギー反応の症状を招かないようにするために、どのように検査し、診断するのかを知ることが有用です。
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アレルギー体質といわれる人が特定の食品などを摂取すると、アレルギー症状が発症してしまいます。
アレルギーの検査や診断により、原因となっているアレルゲン(抗原)物質が特定されれば、そのようなものを含有している食品を摂らないようにするなどの方法があります。
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生まれながらにしてアトピー性素因を有している人では、乳児期に牛乳や卵などにアレルギー反応が現れ、乳児期、幼児期、学童期、思春期、成人期と成長するにつれて、次々といろいろなアレルギー症状が現れてくることがあります。
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杉の花粉などのアレルゲンとなる物質が、目や喉、口、鼻の粘膜から入り、免疫細胞がこれらの物質を排除しようとして起こるアレルギー反応で、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が起こる病気を花粉症といいます。
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気管支喘息は、重大なアレルギー病のひとつで、細菌やウイルス感染などの刺激が発端となって、空気の通り道である気管支が炎症を起こす慢性病です。
気管支喘息になると、気道が過敏になり腫れて気道狭窄が起こり、発作的な咳や痰、喘鳴などの症状を起こし呼吸が苦しくなります。
簡単にいうなら、喘息とは「喘鳴を伴う発作性の呼吸困難」ということができます。
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小児喘息は、気管支喘息が小児に発症した場合に使われる表現です。
普段はなんでもなくても、いちど発作が起こると、気管支喘息特有な「ヒューヒュー」とか「ゼイゼイ」という喉が発する喘鳴を伴い呼吸困難となります。
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アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質(アトピー素因)を有している人の全身のいたるところの皮膚に、種々の刺激が加わって生じる、掻痒のある湿疹を主病変とする慢性皮膚疾患です。
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蕁麻疹は、急性皮膚病のひとつで、突然、身体の皮膚の表面に非常に痒い発疹が出現し、数時間後には何事もなかったかのように消えてしまうという特徴を持った病気です。
蕁麻疹のできる原因として、食物や花粉などのアレルギー物質による内因性と、ストレスや寒冷などのアレルギー以外の原因である外因性とがあります。
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蜂や毒蛇の攻撃の一度目は、人体内に抗体ができるだけですが、二度目に蜂に刺されたり、毒蛇に噛まれると、既に存在する体内の抗体が蜂毒や蛇毒に過剰免疫反応を起こします。
全身に化学伝達物質が放出され、毛細血管拡張を引き起こし、ショック症状に陥ります。
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アレルギー性鼻炎は、発作的反復的に連発する、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを三大主症状とする鼻粘膜のI型のアレルギーです。
更に、目や喉の痒みや頭重感、イライラ感などの症状も伴います。アレルギー性鼻炎は、必ずしも同義語ではないものの「鼻アレルギー」とか「鼻過敏症」などと呼ばれることもあります。
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アレルギー反応はある特定の物質に反応して炎症がおこりますが、これが目の結膜でおきた場合が、アレルギー性結膜炎です。
初期には目やまぶたが痒くなり、結膜の充血や痛みがでます。重症になると、まぶたが腫れ、ゼリー状の目やにがでたり、涙が止まらなくなったり、ゴロゴロした異物感を感じることもあります。
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アレルギー性腸炎は、アレルギー反応を引き起こす食物の摂取により起こる胃腸疾患です。
アレルギー性腸炎は、比較的に乳幼児に起こりやすいアレルギー疾患で、主な症状として腹痛、下痢、嘔吐など多彩な消化器症状を呈します。重症化すると呼吸困難、血圧低下などの危険な症状も現れます。
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「肺好酸球症候群(PIE:pulmonary infiltration with eosinophilia)」は「PIE症候群」とも呼ばれ、肺野の浸潤影に加えて末梢血の好酸球増加を伴った肺疾患の総称です。
PIE症候群の病気の症状は、軽い呼吸器症状や激しい喘息発作などです。PIE症候群の原因は、一般的には、カビ、寄生虫等によるアレルギー性の肺疾患とされていますが、多くの場合、真の原因は不明です。
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〔チャーグ・ストラウス症候群(CSS)〕は、〔アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)〕とも呼ばれる疾患で、訳語の関係で〔チャウグ・シュトラウス症候群〕と表記されることもあります。
また、最近では、〔多発血管炎合併好酸球性肉芽腫症(EGPA)〕の呼称も提案されています。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などのⅠ型アレルギー性症状を有する人に、白血球の一種である好酸球の著明な増加を伴いながら、細い血管に血管炎を生じるなど多彩な臓器症状を呈します。
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食物アレルギーは、特定の食品を摂取することで、免疫反応により起こるアレルギー症状をいいます。
食物アレルギーの主な原因は特定のたんぱく質を含む食品で、それらを飲食し摂取すると、アレルギー反応を引き起こします。
食品によるアレルギー反応は誰にでも出るわけではなく、起こしやすい人と、そうでない人とがいます。アレルギーになりやすい体質は遺伝するといわれています。
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薬物アレルギーは、薬剤の服用後や注射後に、薬剤が抗原(アレルゲン)となって起こるアレルギー反応や、薬剤が生体内のたんぱく質などと結合して抗原となるアレルギー反応、薬剤が本来有する作用による中毒などによって、皮膚や粘膜に生じるアレルギー疾患で「薬剤アレルギー」とか「薬疹」とも呼ばれます。
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動物アレルギ-は、犬や猫、ハムスターなどのペットやいろいろな動物に接触したり、動物が居た場所に行ったりすると起こるアレルギー症状を指します。
動物アレルギーの代表格は「猫アレルギー」や「犬アレルギー」で、別名「ペットアレルギー」とも呼ばれます。
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「接触性皮膚炎」とは、急性皮膚疾患のひとつで、俗称で「かぶれ」と呼ばれる疾患です。
通常、かぶれを起こす原因物質に触れると、その部分の皮膚に赤い発疹がでたり激しい痒みが生じます。
水疱や紅斑、丘疹などがあらわれる典型的な皮膚炎となります。一度かぶれが発症すると、その物質に触れる度に同様な症状が生じるようになるのが普通です。
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ハウスダストというのは、日常生活をしている部屋など家庭の中に存在する塵・ダストのことで、チリダニ、カビ、細菌、動物の毛、人の皮膚やアカ、フケ、タバコの灰、繊維類、砂塵、鉱物類など無数に存在します。
このハウスダストによって引き起こされるアレルギーが「ハウスダストアレルギー」で、多くの場合に原因となるアレルゲン物質は、チリダニなどの虫類やその糞などです。
チリダニは人のフケや皮膚のかけらなどを栄養源として繁殖するので、実質上、ハウスダストアレルギーは、ほぼ「ダニアレルギー」と同義語となります。
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「日光アレルギー」は、太陽光や日光の紫外線により免疫システムが作用しアレルギー反応を起こす疾患で「紫外線アレルギー」「光線過多症」とも呼ばれます。
太陽光線に晒されると、皮膚が発赤し、浮腫や発疹、丘疹、蕁麻疹、水疱などの痒みを伴う皮疹・湿疹ができます。
多くの人では、多少の時間、太陽光を浴びても問題が起こりませんが、ちょっとの時間でも皮膚に異常を起こす人もいます。
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