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[ Physical Illness ]* @@@ * |
〔アトピー性皮膚炎〕 |
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〔アトピー性皮膚炎〕は、アレルギー体質(アトピー素因)を有している人の全身の皮膚のいたるところに、種々の刺激が加わって生じる、掻痒のある湿疹を主病変とする〔慢性皮膚疾患〕です。 |
日本ではアトピーといえば、〔アトピー性皮膚炎〕を意味することが多くなっています。 一般に〔アトピー性皮膚炎〕は、乳幼児期から始まり、学童期には自然治癒することが多い病気です。 しかし、近年では成人まで持ち越す例も多くなり、発症し一旦よくなっても、また再発するような憎悪・寛解を繰り返す特徴があります。 |
〔アトピー性皮膚炎〕の発症原因は、非常に複雑で明確には分かっていませんが、遺伝的因子(アトピー体質)の他にも種々の環境因子が関係しているとされます。 |
いろいろなアレルゲン物質などに対して過敏に反応し、アレルギー反応を起こし、喘息発作や蕁麻疹、湿疹ができたり、くしゃみや鼻水、目の痒みなどが起こる素因を「アトピー素因」と呼んでいます。 アトピー素因をもつ人は、気管支喘息や小児喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー性の疾患に罹りやすくなる人ということもできます。 アトピー素因のある人は、多くの場合、先天的・遺伝的な要素が強いと考えられています。 兄弟や親族にアトピー性皮膚炎や気管支喘息などの人がいる子どもでは、将来的にアトピー性皮膚炎になる可能性があります。 一方で、後天的な精神的ストレスや生活環境、気候、過労、日光などによってアトピー性が生じることもあります。 最近では、環境汚染、特に自動車の排気ガスを吸うと喘息が酷くなる子どもも多くいます。 |
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アトピー素因を有し、特に全身の皮膚に湿疹を起こしやすいものが〔アトピー性皮膚炎〕や〔蕁麻疹(じんましん)〕です。 アトピー性皮膚炎は、強い痒みをともなう発疹・湿疹が全身のいたるところに繰り返し出現する疾患で、発疹は、顔や首、肘や膝などのくぼみ部位などに出やすく、ひどくなると全身のいたるところに広がります。 多くの場合、乳幼児、特に5歳以下の子どもに多くみられる特徴があり、年齢が大きくなると傾向的には減少します。 アトピー素因をもちアトピー性皮膚炎になりやすい乳幼児は一般に皮膚が弱く、おむつかぶれが生じやすかったりします。 また、大きくなってからも、化粧品や塗り薬、洗剤などでの接触性皮膚炎を起こしやすいともいわれます。 |
日本におけるアトピー性皮膚炎の診断基準には、「厚生省心身障害研究基準」と「日本皮膚科学会基準」とがあり、厚生省心身障害研究基準の方は、小児を対象とした基準となっています。 小児におけるアレルギー性皮膚炎はより重要であると考えられるので、このページでは、こちらの基準に基づいて話を進めます。 |
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アトピー性皮膚炎の症状は年齢によって異なってきます。 乳幼児期に症状がはじまり、学童期から成人期になるに従って症状が出なくなる傾向があります。 ここでは、乳児期、幼児期・学童期、大人での典型的な症状を示します。
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厚生省心身障害研究班が提唱している小児を対象にした「アトピー性皮膚炎の重症度分類」は次のようになっています。
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アトピー性皮膚炎は、複雑な免疫反応の結果として現れる症状ですが、皮膚の感染症をはじめとして、眼科的合併症、心的合併症など、いくつかの重要な合併症が知られています。
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アトピー性皮膚炎の原因は、基本的には何らかの理由でアレルギー反応が起こり、皮膚に炎症をもたらすわけですが、原因の本質的部分には「遺伝的要因」と「環境要因」とがあるとされています。 遺伝的要因とは、簡単には「アレルギー体質」とか「アレルギー素因」などと呼ばれるもので、生まれながら持ち合わせている体質的なものを指します。 また、環境要因とは、主にアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン・抗原)との接触や日常の生活習慣などを指しています。 |
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一般に、アトピー性皮膚炎になりやすい人は「アトピー素因」を持つ人、「アトピー体質」の人などといわれます。 このような先天的な素因を持つ人がアレルギーの発症を招くような「アレルゲン(抗原)物質」と接触したり、摂取したり、あるいは「機械的刺激」に晒されると、皮膚炎を発症するのです。 アレルギー体質の人は、自分自身でも他のアレルギー疾患の経験があったり、兄弟姉妹や家族内に同じような症状を持つ人が多くいるのが普通です。 このような観点から、少なくとも、遺伝的に「アレルギーになりやすい体質」を継承しているものと考えられているのです。 これは、そのような人は絶対にアレルギー性皮膚炎になるということではなく、特定のアレルゲンとの接触や、摂取によりアレルギーを起こしやすい体質だという意味になります。 |
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アトピー性皮膚炎は、一種のアレルギー性体質の人が、原因物質となるアレルゲン(抗原)に接触したり、体内に摂取して発症します。 皮膚炎発症のパターンは、蕁麻疹などのようにアレルゲンを摂取すると直ぐに症状が現れる「即時型アレルギー」と、摂取後かなりの時間が経過してから症状を現す「遅延型アレルギー」とがあります。 また、近年の化学調味料をはじめ、化学薬品や化学肥料、自動車の排気ガス、化学衣料などに晒される機会の多い、先進国でより深刻な問題となっていることからも分かるように、環境変化も大きな誘引原因となっていると考えられます。 これを証明する例として、発展途上国での患者数がこの数十年に増加傾向があるとの報告もあります。 また、このような環境変化だけでなく、精神的なストレスが発症を招くことも多いことから精神的要因も無視できないものとなっています。 |
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いわゆるアレルギーを起こしやすい全ての物質が、アトピー性皮膚炎を誘起する原因物質となりえます。 また、そればかりでなく、アレルギー症状を悪化させる精神的要素や生活習慣もあります。
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先に述べたように、日本におけるアトピー性皮膚炎の診断基準には、「厚生省心身障害研究基準」と「日本皮膚科学会基準」とがあります。 アトピー性皮膚炎が特に乳児・幼児・学童に対して重要であることから、このページでは、「厚生省心身障害研究基準」を要約して紹介します。 診断基準に従うことで、アトピー性皮膚炎の診断は、特別なアレルギー検査をしなくても行えます。 |
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乳児が、次の二つの症状の双方を満たし、下記の「別疾患の表」に示す皮膚疾患ではないとき、アトピー性皮膚炎と診断します。 ・顔面皮膚または頭部皮膚を中心とした赤い発疹(紅斑)または盛り上がった発疹(丘疹)がある。耳切れが見られることが多い。 ・患部皮膚に、ひっ掻き傷のあとがある。 |
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幼児・学童が、次の五つの条件を満たし、下記の「別疾患の表」に示す皮膚疾患ではないとき、アトピー性皮膚炎と診断します。 ・頸部皮膚またはわきの下、ひじや膝のくぼみの皮膚を中心とした赤い発疹、盛り上がった発疹、または皮膚がつまむと硬いなり、ザラザラしている。耳切れが見られることが多い。 ・乾燥肌や米ぬか様の皮膚の粉状断片を伴う、毛穴が鳥肌状になった皮膚がある。 ・患部皮膚に、引っかき傷のあとがある。 ・皮膚に痒みがある。 ・慢性(発症後6か月以上)の経過をとっている。 |
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ここに挙げる症状や皮膚病がある場合には、アトピー性皮膚炎とは別の病気・疾患として区別されます。治療法も異なります。
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