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[ Physical Illness ]* @@@ * |
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〔脳腫瘍〕 |
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〔脳腫瘍〕は、頭蓋内組織に発生する〔新生物腫瘍〕や異常細胞が増殖する病気です。 |
通常、これら何らかの症状が出現したときには、既に腫瘍がかなりの大きさに増殖していて、脳浮腫を引き起こしているものと考えられます。
・原発性脳腫瘍
WHO(世界保健機構)による〔脳腫瘍〕の発生母地に基づく分類法というものがあります。 |
〔脳腫瘍〕は、頭蓋骨内に発生するすべての腫瘍の総称です。 脳腫瘍には脳実質だけでなく、頭蓋内に存在する骨や髄膜(硬膜・くも膜・軟膜)、血管、下垂体、脳神経、先天性遺残組織などから発生する原発性の腫瘍のほか、身体の他の臓器で発生した腫瘍が転移してきて生じた腫瘍も含まれます。 このように、脳腫瘍には脳自体から発生した〔原発性脳腫瘍〕と、他の身体臓器で発生した腫瘍が脳に転移してきた〔転移性脳腫瘍〕の二種類があります。 脳本体の細胞は「神経細胞」と「膠細胞」の二種類から構成されていますが、神経細胞から発生する原発性脳腫瘍は極めて稀であり、多くの原発性脳腫瘍は膠細胞から発生し脳腫瘍全体の40~45%を占めるとされます。 脳腫瘍には先天的脳腫瘍や血管性脳腫瘍というものもありますが、これらも含めて、硬膜やくも膜、軟膜などの膜、下垂体、および脳から外部に接続される神経などから発生するものが全体の脳腫瘍の50%ほどを占めるとされます。 残りがいわゆる転移性脳腫瘍で他の臓器での腫瘍が転移してきて生じます。
脳腫瘍は成人では大脳に多く発症し、子どもでは小脳や脳幹に多く発生する傾向があります。 脳腫瘍は、どの年代でも発生しますが、年少者では10~15歳くらいに多く発症し、成人では35~40~50~55歳が一番多く、それ以降は減少して80歳代以降ではほとんど見られなくなります。 また、男女差は脳腫瘍の発生にはあまり関係ないとされています。 |
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脳腫瘍には他の臓器での腫瘍と同様に、良性腫瘍と悪性腫瘍とがあります。 特に〔原発性脳腫瘍〕では約半々ずつの比率で悪性腫瘍と良性腫瘍が発生します。 脳腫瘍の場合には、たとえ良性腫瘍であっても、脳は頭蓋骨でしっかりと囲まれる限られた空間内にあるため、腫瘍が増大すれば、脳内圧力が高まり腫瘍の周辺部位を圧迫することなどでさまざまな障害を呈してくるので油断はできません。 ここで、良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍の例を示しますが、他の臓器での悪性腫瘍が脳に転移してきた転移性脳腫瘍も悪性腫瘍に含まれます。
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〔脳腫瘍〕は、頭蓋骨内に存在する多くの組織から発生するため、WHO(世界保健機構)により発生母地に基づく分類が提唱されていて、130種類ほどの脳腫瘍の組織型が定義されています。 WHOによる発生母地に基づく脳腫瘍分類の中で重要なものを下記に示します。
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脳腫瘍の症状には二つの特徴的パターンがあります。 第一番目の特徴的症状は、基本的に頭蓋骨は伸縮しないために、脳腫瘍の病変が頭蓋内で増大してくることと髄液流通障害が発生することで頭蓋内での圧力が上昇し「脳圧亢進症状」が現われることです。 第二番目の特徴的症状は、脳腫瘍が発生している局部とその近傍で起こる「局所症状(巣症状)」が現われることです。 通常、何らかの脳腫瘍の症状が出現した段階では、腫瘍は既にある程度の大きさにまで増大していて、「脳浮腫」状態になっているのが普通です。 このため、二つの症状は同じ時期から認められます。 特に、トルコ鞍近傍に腫瘍が成長してくると、視床下部、脳下垂体の機能障害が誘発され、プロラクチンと呼ばれる乳汁分泌ホルモンが過剰産生されるようになります。 この場合、女性に限らず、ときには男性でも、妊娠などしていないのに母乳がでるような現象も起こります。
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脳腫瘍には、脳実質や脳を取り巻く周辺部位の組織や脊髄液などから発症する「原発性脳腫瘍」と、他の臓器などで発生した悪性腫瘍が脳に転移してきて発症する「転移性脳腫瘍」とがあります。 原発性の脳腫瘍の発生原因は、解明されていませんが、複雑な遺伝子異常によるのではとの議論がなされています。 |
脳腫瘍の診断は、臨床的経過や神経学的所見が重要ですが、近年では補助的診断手段として、各種の画像診断技術が用いられます。 次のような画像診断技術が使われます。
・CT(コンピュータ断層撮影)
また、脳波などの基本的な診断方法も使用されます。 |
脳腫瘍の基本的な治療方法は、外科手術による腫瘍の摘除です。 良性腫瘍の場合には外科手術療法だけで治療が完了となることがあります。 腫瘍の存在部位によっては、たとえ良性腫瘍だとしても外科的な摘出手術が困難な場合があります。 また、悪性腫瘍の場合には外科手術だけでは完璧を期すことはできません。 脳腫瘍は放置すれば非常に大きく増大化してしまいますし、やがては肺などに転移してしまいます。 転移や再発を予防するため、摘出手術では、腫瘍周辺部の健康かもしれない組織を腫瘍ともども切除することがあります。 このため、悪性腫瘍には手術療法の他に他の治療法が併用されます。脳腫瘍の具体的な治療方法は、次の療法が併せて用いられます。
・外科手術療法 また、手足を動かす神経をはじめ身体の多くの機能と関連する神経などに脳腫瘍が発生した場合などでは、寝たきりになるなど大きな後遺症が残るのを覚悟の上で、救命のためにこれらの神経の一部を除去してしまうこともあります。
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脳腫瘍の予後は、腫瘍組織により大きく異なります。 脳腫瘍全体での5年後の生存率は75%を超えるようになっています。 脳腫瘍全国集計調査報告によれば、良性腫瘍の髄膜腫の場合の5年後生存率は93%とかなり高い率です。 また神経膠腫全体では38%となっています。 その他の脳腫瘍も含め5年後生存率は次のようになります。
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