好発部位は、傍矢状洞部と呼ばれる部位ですが、それ以外でも蝶形骨縁や嗅溝、鞍結節部、小脳テント、小脳橋角部にもみられ、稀には脳室内脈絡叢からも発生します。
更に、頭蓋内だけでなく、脊椎管内でも発症し、神経鞘腫とともに脊椎管内の硬膜内髄外腫瘍の大部分を占めています。
この腫瘍の成長速度は緩やかで、悪性の〔髄膜腫〕が発症することは稀で、脳を外側からゆっくりと押すような形で増大する良性腫瘍です。
大部分の〔髄膜腫〕は、組織学的には内皮細胞型や線維芽細胞型、移行型に属するものであり、稀には血管芽細胞型や肉腫型もあります。
〔髄膜腫〕の症状は初期には無症状ですが、やがて増大してくると、腫瘍が発生した部位の脳や神経を圧迫するすることで、その部位に特有な症状を呈してきます。
腫瘍の増大に伴い、手足の運動障害や手足の感覚障害、視野障害、聴力障害などがいろいろな組み合わさり方で出現し、更に増大すると、頭痛や嘔吐、目の霞み、意識障害などの症状も出てきます。
極端な場合には、眼が前面に出てきたり、頭蓋骨が盛り上がったりすることもあります。
腫瘍が脳内の重要な血管を抱きこんで成長すれば、脳梗塞のような症状を招くことも起こります。
〔髄膜腫〕の診断は、造影剤を用いたCTスキャンやMRIにより容易に行うことができます。
小さな髄膜腫で無症状なものは、経過観察となりますが、大きく成長したものは基本的に手術で摘出します。
特に、眼の神経付近にできた腫瘍の場合、早めの手術が必要です。
多くの場合、摘出が可能で根治できますが、発生部位によっては手術不能なこともあります。
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