骨髄系幹細胞は、分化・成熟すると、血小板、赤血球、そして白血球内の顆粒球、単球、樹状細胞となります。
また、リンパ球系幹細胞は、分化・成熟すると、白血球内のB細胞(形質細胞)、NK細胞、T細胞となります。
このように、全ての血液細胞は、骨髄中の造血幹細胞が枝分かれしながら成長・成熟して作られるのですが、リンパ系の造血細胞が腫瘍化し、分化・成熟能を失ってしまうのが、〔リンパ性白血病〕です。
分化・成熟能を失った細胞は幼若なままの形態であり芽球と呼ばれます。
病状が急速に進行するものは、〔急性リンパ性白血病(ALL)〕と呼ばれ、また症状が緩やかに進行するものは、〔慢性リンパ性白血病(CLL)〕と呼ばれます。
〔急性リンパ急性白血病〕では、リンパ球系が増加するため、顆粒球系、赤血球系、血小板系は減少します。
T細胞型の〔急性リンパ急性白血病〕では、末梢血における白血球が著明に増加する特徴があります。
〔急性リンパ性白血病〕では、脾腫を見ることがありますが、巨脾になることはありません。
小児の急性白血病の多くは、〔急性リンパ性白血病〕です。
欧米では白血病の中で〔急性リンパ性白血病〕が大部分を占めますが、日本では〔急性骨髄性白血病〕の方が多く発症します。
初診時の年齢が1歳以下、または10歳以上の乳幼児・学童では、初診時2~6歳の幼児に比べて予後は明らかに不良となります。
白血病細胞がT細胞型であったり、初診時の末梢白血球数が5万以上ならば予後不良を示唆します。
また、男女差では男児の方が予後不良ですし、中枢神経系浸潤がある場合にも予後不良となります。
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