外鼻がん |
外鼻は、簡単には顔の中央部に突き出た鼻の部分をいいますが、ここには軟骨でできた骨組みがあり、皮膚と肉によって覆われていて、多少の変形ができる柔軟性を持っています。
外鼻の下の端には、いわゆる「鼻の穴」と呼ばれる左右一対の「外鼻孔」があります。
鼻の穴は、粘膜に覆われていて、極めて稀ですが、ここに悪性腫瘍が発生することがあり、それが〔外鼻がん〕です。
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鼻腔がん |
外鼻孔(鼻の穴)から鼻の内部に入ると、「鼻腔」と呼ばれる大きな空洞があります。鼻腔は鼻中隔によって左右に分割されていて、内面は粘膜に覆われています。
鼻腔の後端は、後鼻孔によって咽頭へと繋がり、肺への空気の流れ道となっています。
鼻腔粘膜は、肺に送られる空気に湿り気を与えると同時に空気を暖める働きをしています。繊細な肺胞壁を傷めないようになっていることから、鼻腔粘膜は「呼吸上皮」と呼ばれることがあります。
また、鼻は臭いを感じるための重要な器官ですが、鼻腔最上部の粘膜には、臭いを感知する細胞があります。この細胞粘膜は「嗅上皮」と呼ばれ、他の部位の粘膜とは性質が異なります。
粘膜に覆われている鼻腔にも悪性腫瘍が発生することがあり、それが〔鼻腔がん〕です。
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副鼻腔がん |
鼻腔につながる周囲の骨の内部には、空気で満たされた左右四対の空洞があります。
鼻腔に接続されていることから、これらは「副鼻腔」と呼ばれていて、「上顎洞」や「篩骨洞」「前頭洞」および「蝶形骨洞」という種類があります。
これらの副鼻腔の粘膜にも悪性腫瘍は発生することがあり、各部位ごとに名称が付きますが、総称して〔副鼻腔がん〕と呼びます。
副鼻腔がんの中では、上顎洞がんが最も発生頻度が多く、続いて〔篩骨洞がん〕が多く発生します。
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上顎洞がん |
副鼻腔内部の上顎洞から発生するがんが〔上顎洞がん〕で、鼻のがんとしては最も多く発生します。
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篩骨洞がん |
副鼻腔内部の篩骨洞から発生するがんが〔篩骨洞がん〕で、鼻のがんとしては〔上顎洞がん〕に次いで多く発症します。
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前頭洞がん |
副鼻腔内部の前頭洞からもがんは発生し〔前頭洞がん〕と呼ばれます。発生頻度は低いです。
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蝶形骨洞がん |
副鼻腔内部の蝶形骨洞からもがんは発生し〔蝶形骨洞がん〕と呼ばれます。発生頻度は低いです。
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