胆嚢ポリープは、胆嚢内側の粘膜細胞が増殖して局部的に盛り上がり、きのこ状やこぶ状になる「隆起性病変」のひとつです。
自覚症状はなく、人間ドックや健康診断での腹部超音波検査で発見されることが多く、成人では5~10%の人がこのポリープを持っているといわれる比較的身近な疾患です。
発症年齢は40~50歳代に多くなっていますが、発症率の男女差はありません。
胆嚢ポリープには、大きな分類として非腫瘍性ポリープと腫瘍性ポリープとがあります。
非腫瘍性ポリープには「過形成性ポリープ」「炎症性ポリープ」および「コレステロールポリープ」と呼ばれる三つの種類があります。
通常、単に胆嚢ポリープと言うときは非腫瘍性ポリープを指しています。
腫瘍性ポリープには、「胆嚢腺腫」と呼ばれる良性ポリープと、悪性腫瘍である「胆嚢がん」とがあります。
ほとんどの胆嚢ポリープは、非腫瘍性の中のひとつである「コレステロールポリープ」であり、成分がコレステロールに富んだ良性のポリープです。
しかし、中には胆嚢の上皮にできる良性の腫瘍である「胆嚢腺腫」や悪性腫瘍である「胆嚢がん」である場合もゼロではありません。
特に、その直径が166mm以上の大きさになるとその危険度は増大します。
胆嚢ポリープが胆嚢がんになる確率は、ポリープのサイズで異なり、0~10ミリでは5%、10~15ミリで25%、16ミリ以上では60%に達するといわれ、大きなものでは、手術による除去が必要となります。
|