鼻粘膜誘発試験 |
鼻粘膜誘発試験は単に「鼻誘発試験」ともいわれる試験方です。
原因と思われるアレルゲンエキスを浸み込ませ乾燥した濾紙を、鼻粘膜に接触させて行うことで、鼻アレルギーの原因となるアレルゲンを調べる検査方法です。
濾紙の接触後、5分間の経過を観察します。
「鼻内の痒み(くしゃみ)」「鼻汁分泌の増加」「鼻粘膜の腫脹」の内の二項目以上があるなら、陽性と判定され、そのアレルゲンエキスが鼻アレルギーの原因物質であると診断されます。
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目粘膜誘発試験 |
目粘膜誘発試験は単に「目誘発試験」ともいわれる試験法です。
原因と思われるアレルゲンエキスを、一方の目に点眼することで、目粘膜アレルギーの原因となるアレルゲンを調べます。
点眼後、5~10分間の経過を観察します。
「目の痒み」「粘膜充血」「腫脹」が認められるなら陽性と判定されます。この方法は、主に「アレルギー性結膜炎」の原因アレルゲンを調べるときに使われます。
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食物負荷試験 |
食物負荷試験は、「食餌誘発試験」とも呼ばれる試験ですが、現段階では標準化された方法は存在しません。
この方法では、原因アレルゲンと考えられる食物の少量を現実に摂取して、アレルギー症状が出現するかどうかをみて判定します。
アレルギーにはアレルゲンを摂取するとすぐアレルギーが発症する「即時型アレルギー」と、時差があって一定時間経過後に発症する「非即時型アレルギー」とがあります。
食物負荷試験では、即時型アレルギーを引き起こす原因アレルゲンの確認は比較的速やかに可能ですが、非即時型アレルギーについては困難です。
この方法では、現実にアレルギーが発症してしまうだけでなく、時にはアナフィラキシーショックを誘起してしまう可能性もあります。
また、ショックを引き起こさないまでも、喘息発作を起こしたり、長期にわたって体調が不調になったりすることもあります。
特に乳幼児などにとってはとても負担の大きい試験方法です。
たとえば、「イクラ」を食べると唇が腫れたりする幼児には、「数の子」や「キャビア」などを与えない、少なくとも幼児期には与えない、というような「除去食(療法)」に気を配ることが大切です。
食餌負荷試験で、アレルギー症状が軽くなるというような、不適切な報道が行われることがあるので注意が必要です。
このように、食物負荷試験による原因アレルゲンの確認は、非常に危険を伴う方法ですので、決してお奨めはできません。少なくとも成長期には試してみない方が懸命です。
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吸入誘発試験 |
吸入誘発試験は、ネブライザーという吸入器具を用いて、主にアトピー性喘息の原因として疑われるアレルゲン(抗原)の低濃度のエキスを吸入させ、喘息の症状が現れてくるかどうかなどを確認する検査方法です。
アレルゲンエキスを低濃度から徐々に濃度を上げて吸入させ、気管支収縮が起きるかどうかをみます。
吸入10分後に、思いっきり息を吸い込んでから1秒間に吐き出すことの出きる空気量(1秒量)を測定します。
この1秒量が標準より20%低下するなら、その物質がアレルゲンであると確定されます。
アレルギーには、即時型と遅発型(非即時型)とがあるので、この試験が継続できる状態なら、1時間ごとに6~10時間行います。
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薬物負荷試験 |
薬剤アレルギーの場合には、原因となる薬物アレルゲンを、皮膚反応で調べるのはとても困難です。
そのため、原因と疑われる薬物とアレルギーとの関係を証明する唯一の決定的方法は、その疑わしい薬物のごく少量を経口負荷して反応を確かめる方法となります。
その薬物が真の原因アレルゲンであると確定できるのは、誘発試験の結果が陽性となる場合だけとなります。
この方法は原因物質の特定には決定的であっても、患者に苦痛と負担を与え、ひとつ間違えばアナフィラキシーショックを起こしたり、重篤なアレルギー症状を発症したりする危険が伴いますので、特殊な場合以外は実施されることはありません。
病院などで、投薬や注射に際して、抗生物質やピリン系薬剤などでのアレルギー症状を経験したことがないかなど質問されるのは、人によってはそのような危険な反応が心配されるからです。
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