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[ Physical Illness ]* @@@ * |
〔アレルギー性胃腸炎〕 |
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〔アレルギー性腸炎〕あるいは〔アレルギー性胃腸炎〕は、アレルギー反応を引き起こす食物の摂取により引き起こされる胃腸疾患です。 |
原因となるアレルゲン物質には、たんぱく質含有量の多い次のような食品などがあります。
・卵
また、食品添加物などにも原因となるものがあります。 |
この病気は、食品としてアレルゲン物質を摂取することにより発症します。 |
〔アレルギー性腸炎〕は、〔アレルギー性胃腸炎〕とも呼ばれる病気で、特定の食物に対するアレルギー反応により、消化器官に炎症が起こる病気です。 この病気は、主に乳児にみられる病気で、下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状を起こします。 また、全身性のアレルギー反応であるアナフィラキシーショックや、脱水症状、栄養不良などの症状を呈することもあります。 〔アレルギー性腸炎〕は、アレルギー病のひとつであり腸の粘膜に起こるアレルギーですので、この病気を引き起こす何らかのアレルゲンが存在します。 生まれたばかりの赤ちゃんが、母乳の不足のために粉ミルクを飲み始めたときや、生まれてから数か月して離乳食をはじめたときなどに、しばしば発症することがあります。 多くの場合、〔アレルギー性腸炎〕を起こしやすい乳児も、幼児期になると下痢などのアレルギー症状は治まり自然治癒します。 しかし、中には「アレルギーマーチ」のように、〔アトピー性皮膚炎〕や〔気管支喘息〕〔アレルギー性鼻炎〕〔アレルギー性結膜炎〕などに進行してしまう幼児もいます。 |
乳児に起こる〔アレルギー性腸炎〕では、症状の現れ方は「即時型」と「遅延型」の二つのタイプがあります。 即時型では、アレルゲン(抗原)となる飲食物を摂取したら、数分~数時間で症状が現れます。遅延型では、24~48時間後に症状が現れてきます。 即時型、遅延型のどちらのタイプでも、腹痛を伴う下痢、嘔吐、血便などで、現れる症状は似ています。 そして、重症になると、アナフィラキシーショックや脱水症状などの症状が起こります。 即時型と遅延型の症状は、どちらかだけが単独で起こるわけではなく、アレルゲンの摂取やアレルゲンとの接触後、数分~数時間内で即時型のアレルギー症状が現れ、ようやく治まりかけたと思うと、今度は24時間以降になって遅延型のアレルギー症状を呈することもしばしば見られます。 |
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即時型アレルギー反応は、アレルゲンとなるミルクや食物を摂取後、数分~数時間後に発症します。 アレルゲン(抗原)の刺激で活性化された粘膜の肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて、アレルギー症状を出現させるのです。 乳児は、何らかの違和感を感じて粉ミルクを飲まなくなったり、離乳食を嫌がったり、吐き出したりします。 腹部の痛みをうったえるように足を丸めて泣き出します。水様性の下痢症状を呈します。肛門のむくみや充血が見られることもあります。また、全身の皮膚が赤くなったり脈が速くなりすることもあります。 更にひどくなると、アナフィラキシーショックといって、喘息発作が起き、喉の腫れによる呼吸困難・血圧低下・意識を失うなどの症状が起こることがあります。 この場合は即刻救急車を呼ばなくてはなりません。 |
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もう一つは、遅延型アレルギー反応を示すタイプで、抗原となる食物を摂取して24~48時間後から発症します。 消化しきれなかった高分子のアレルゲンが、粘膜内に侵入し、これに刺激されたリンパ球からサイトカインなどの化学伝達物質が放出されて、アレルギー反応を起こし、腸の粘膜に炎症を生じさせるのです。 この場合も症状は、下痢や嘔吐、腹痛などですが、〔喘息〕や〔アトピー性皮膚炎〕などを合併することもあります。 症状が進行した場合、腸の粘膜組織が障害を受ける結果、十分に栄養分を吸収することができなくなり、栄養障害を引き起こすことがあります。 また、粘液性の血便がでたり脱水症状を呈することもあります。乳児の場合、発見・治療が遅れると、発育障害や体重増加不良などに陥ります。 |
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乳児においては、アレルギー性腸炎と同様な症状の下痢を引き起こす病気として、〔乳児下痢症〕があります。 細菌やウイルスが直接的に腸に感染していたり、風邪が原因で下痢が起こるケースです。 中でも〔ロタウイルス感染症〕という急性下痢症では、発熱を伴う嘔吐と白色便の水様性下痢が何回も続き、ときに脱水症状に至ることがあります。 生後、半年~2歳くらいの乳幼児に多く見られ、ほとんどの小児は5歳くらいまでに一度は経験します。 通常、ロタウイルス感染症による下痢は、1週間以上も続くことはないので、それ以上続くようなら、アレルギー性腸炎による下痢の可能性が強くなります。 |
〔アレルギー性腸炎〕は、アレルギーによる病気なので、必ず何らかのアレルゲン(抗原)の存在があります。 通常、飲食物が口から摂取されると、食物の大部分は唾液や胃での消化酵素の働きによって消化され、腸に送られながら腸管にある繊毛の働きによって体内に吸収されます。 その過程で、消化しきれなかった「ペプチド」というたんぱく質が、腸管粘膜に侵入することがあります。 このペプチドがアレルゲン(抗原)となって、アレルギー反応が起こり、消化器官を主体とした炎症を起こすのが〔アレルギー性腸炎〕です。 |
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〔即時型アレルギー性腸炎〕は、いわゆる食物アレルギーで、アレルギーの原因となる飲食物の摂取により、肥満細胞が活性化されて多量の化学伝達物質であるヒスタミンなどを放出することで、消化器官にアレルギー性の炎症を引き起こします。 この場合は、血液中にその飲食品に対する「特異的IgE抗体」が存在します。 〔遅延型アレルギー性腸炎〕では、主にリンパ球から放出されるサイトカインという物質が消化器官に、さまざまな遅延型の炎症を引き起こします。 人体の消化器官には、摂取された飲食物のうちで、有益なものは取り入れ、有害な物を排除しようとする防御機構が備わっています。 消化管に「アレルゲン(抗原)」が侵入してくると、消化管の粘液層がアレルゲンが直接的に消化管粘膜に接触しないように保護する「非免疫的防御」を行います。 粘液層には、アレルゲンを溶解して食べてしまう「免疫グロブリンA(IgA)」が存在して、侵入してくるアレルゲンが腸管から吸収されるのを防ぎます。 アレルゲンが、この非免疫的防御機構を突破してくると、今度は通常の免疫機構が作用して、このアレルゲンに対する抗体をつくりだし、「感作状態」として記憶します。 二度目以降にこの同じアレルゲンが侵入・侵襲してくると、「免疫防御機構」が働きだし、アレルゲンを撃退しようとします。 通常は、このような「非免疫的防御機構」および「免疫的防御機構」という二段構えのシステムにより、腸管粘膜はアレルゲンを撃退するのですが、乳児などでは、このような防御機構や消化機能が未成熟なため、アレルギーの原因となる飲食物が腸管から吸収されてしまいます。 こうして、〔アレルギー性腸炎〕は、特に乳児に発症します。 |
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乳児にアレルギー性腸炎を引き起こす主な物質には、次のようなものがあります。
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症状などから〔アレルギー性腸炎〕が疑われる場合には、問診と症状、便の検査などから、そのアレルギーが即時型か遅延型かあるいは混在型かを確認し、その上で「血液検査」により、〔アレルギー性腸炎〕であることの診断を確定します。 血液検査で、〔アレルギー性腸炎〕と診断された場合には、治療のために、原因となっているアレルゲン(抗原)が何であるかを確認するための、各種試験を行います。 これは、通常のアレルギーの検査と同様であり、次のような検査などとなります。
・ブリックテスト また、症状により、内視鏡による十二指腸生検を行い、粘膜障害の程度などを確認します。
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原因となるアレルゲン物質が特定できている場合は、そのアレルゲンを遠ざけることが最善の策です。 たとえば、粉ミルクであれば、アレルギー治療用の粉ミルクに切り替えます。 また、ハウスダストアレルギーなどが原因であれば、家庭内を清潔にし、空気清浄機などを設置するなどの対策をします。 診断が正しく行われ、水分や電解質の補給、栄養分の補給などの対症療法がうまくでき、除去食や投薬などによって緊急状態を脱すれば、その後は、赤ちゃんの成長と共に腸組織もしっかりしてきます。 3歳くらいの幼児期になればほとんどの子どもはこの病気から脱出することができます。 |
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十分な母乳がでなくて、粉ミルクを使う場合、生後3か月以内の乳児では、粉ミルクがアレルゲンとなることが多いです。 そのような場合は、アレルギー治療用という粉ミルクがあるのでそちらに切り替えます。 また、その他の食材などでアレルゲンと分かっているものを使った食品は当面除去した「除去食」と呼ばれる食材を与えます。 下痢などの症状が続き、体重減少が見られるときは、絶食・点滴治療・皮膚治療など総合的に行い、栄養補給をするとともに、食べられそうなものを少しずつ見つけるのがよいです。 多くの場合、たんぱく質食品がアレルゲンとなるので、離乳食もあまり早くから始めないで、生後5~6か月くらいから開始し、最初は炭水化物で食物に慣れるようにします。 その後、徐々にたんぱく質食品も様子を見ながら与えるようにします。卵や大豆などはアレルゲンになりやすいので、少し月齢がたってからでいいでしょう。 |
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現に〔アレルギー性腸炎〕の症状が発現している場合、下痢や嘔吐などの消化器症状や脱水症状、栄養不良などに対する対症療法が行われます。 また、アナフィラキシーショック症状といって、呼吸困難などの全身性症状があればその改善治療が不可欠です。 応急的な対症療法を行い危険を脱した後にアレルギーに対する治療が開始されます。飲食物の変更などで原因となるアレルゲンを与えないようにします。
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多くの食材にアレルギー反応がでてしまう場合には、それらの食材を完全に除去した食品を入手するのは困難なので、中でも反応の強い食材2~3種類を除去し、その他の多少アレルギー性のある食材については、周期的な回転をして与えるなどの工夫をします。 その上で、症状に応じて、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、時にステロイド剤などによりアレルゲン物質の働きを抑制することができます。 なお、これらの医薬の使用は、重篤な副作用も起こりえますので、厳密に医師の指導に従う必要があります。 |