呼吸器に発生する悪性腫瘍の内、他の臓器で発生した悪性腫瘍が転移してきて発症するものを〔転移性肺がん〕と呼んでいます。
〔転移性肺がん〕を引き起こす元となるがんには、次のような多くの種類があります。
・睾丸腫瘍
・前立腺がん
・乳がん
・骨腫瘍
・甲状腺がん
・胃がん
・肝がん
・白血病
・悪性リンパ腫
これらの悪性腫瘍は、基本的に次の三つの観点から分類されます。
・それを顕微鏡で見た細胞の形態による分類
・発症部位による分類
・治療戦略による分類
〔転移性肺がん〕の発症部位による分類では、原発性肺がんの場合と同様に、二つの型があります。
・肺門型肺がん
・肺野型肺がん
また、それらは顕微鏡で見たがん細胞の形態で分類すると、〔小細胞がん〕と〔非小細胞がん〕とに分類され、治療戦略が異なります。〔非小細胞がん〕は更に細かく三つの種類に分類されています。
・小細胞がん
・非小細胞がん
・腺がん
・扁平上皮がん
・大細胞がん
中心型肺がん |
中心型肺がんは、肺の入口付近にある太い気管支に出来るがんです。
中心型肺がんでは、比較的早い段階から咳、痰、血痰の三大症状が現れます。
気管支などの喉に近い部分は、喫煙による煙に多く晒されやすいために、中心型肺がんが出来易くなります。
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末梢型肺がん |
末梢型肺がんは、口より遠い部分、肺の奥の方に出来るがんで、初期には咳や痰などの症状はあまり見られません。
往々にして、健康診断時のレントゲン検査やCT検査などで発見されます。
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一方、既に述べたように、肺がんは顕微鏡によるがん細胞の見え方によって「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」とに分けられます。
非小細胞肺がんは、更に「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」および「腺扁平上皮がん」などに分類されます。
小細胞肺がん |
小細胞がんは、喫煙者に多く見られる肺がんで、全肺がんの20%ほどを占める肺がんです。
次のような様々な症状がでます。
・長く続く咳
・胸痛
・呼吸時の喘鳴(ヒューヒュー音)
・息切れ
・血痰
・声のかすれ
・顔や首の腫れなど
小細胞肺がんは、初期より転移傾向が強く悪性度が高いです。
しかし、化学療法や放射線療法に対する感受性が高いので、早期発見し化学療法で治療すれば治癒の可能性は高まります。
発見が遅れれば致命的となります。
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非小細胞肺がん |
非小細胞肺がんは、全肺がんの80%ほどを占める肺がんです。
非小細胞肺がんの発症パターンは多彩で男女による違いなども多いです。
最も多いのが「腺がん」で男性の肺がんの40%、女性の肺がんの70%を占めています。
これは通常の胸部レントゲン撮影で見つかり易いタイプです。
次に多いのが扁平上皮がんで、男性の肺がんの40%、女性の肺がんの15%を占めています。
一般に非小細胞肺がんは化学療法や放射線療法が効き難く、治癒を目指すには早期発見し手術で病巣を切除するのが一番です。
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