〔有棘細胞がん〕は、40歳以上の人の顔面や手の甲など日光に露出する部位などに、紫外線の影響を受けて発症します。
増大してくると、やがて不整形の腫瘤を形成し潰瘍化して、特有の悪臭を放つようになります。
発生原因としては、日光紫外線の影響によるものの他にも、次に示すような様々な病気に続発しても発症します。
・熱傷瘢痕
・外傷瘢痕
・老人性角化層
・尋常性狼瘡
・褥瘡
・慢性放射線皮膚炎
・色素性乾皮症
・尋常性狼瘡
・光線角化症
・ボーエン病
このがんは、〔扁平上皮がん〕とも呼ばれ、普通の皮膚だけでなく、可視粘膜や食道、気管支、子宮腟部などの扁平上皮にも好発します。
通常は単発で発生し、進行してくると深部の筋、骨中に浸潤し、所属のリンパ節に転移したり、血行性に転移します。
転移する前に発見されれば、手術での切除が可能ですが、リンパ節転移があるなら郭清術(がんと共に隣接リンパ節も切除)が行われます。
また、血行性転移があるなら、放射線療法や化学療法で治療しますが、完治は極めて困難です。
リンパ節転移や遠隔転移がないなら、5年生存率は85%以上であり予後良好ですが、リンパ節転移があると65%程度、遠隔転移があると10%程度となり予後不良で、終には死に至ります。
〔有棘細胞がん〕は、日本人に多い皮膚がんのひとつで、日本人10万人あたり約2.5人がこのがんに罹っているとされます。
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