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 増大してくると、やがて不整形の腫瘤を形成し潰瘍化して、特有の悪臭を放つようになります。
  
 発生原因としては、日光紫外線の影響によるものの他にも、次に示すような様々な病気に続発しても発症します。
  
 ・〔熱傷瘢痕〕 
 ・〔外傷瘢痕〕 
 ・〔老人性角化層〕 
 ・〔尋常性狼瘡〕 
 ・〔褥瘡〕 
 ・〔慢性放射線皮膚炎〕 
 ・〔色素性乾皮症〕 
 ・〔光線角化症〕 
 ・〔ボーエン病〕
  
 このがんは、〔扁平上皮がん〕とも呼ばれ、普通の皮膚だけでなく、可視粘膜や食道、気管支、子宮腟部などの扁平上皮にも好発します。
  
 通常は単発で発生し、進行してくると深部の筋、骨中に浸潤し、所属のリンパ節に転移したり、血行性に転移します。
  
 転移する前に発見されれば、手術での切除が可能ですが、リンパ節転移があるなら郭清術(がんと共に隣接リンパ節も切除)が行われます。また、血行性転移があるなら、放射線療法や化学療法で治療しますが、完治は極めて困難です。
  
 リンパ節転移や遠隔転移がないなら、5年生存率は85%以上であり予後良好ですが、リンパ節転移があると65%程度、遠隔転移があると10%程度となり予後不良で、終には死に至ります。
  
 〔有棘細胞がん〕は、日本人に多い皮膚がんのひとつで、日本人10万人あたり約2.5人がこのがんに罹っているとされます。
    
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