腸チフスの潜伏期間は7~14日で、腹痛や発熱、食欲不振、咽頭通、関節痛、頭痛、空咳、鼻血などの症状が徐々にでてきます。
発症後、3~4日すると症状が重くなり、40度C前後の高熱を伴いながら、水様性の下痢や血便、あるいは便秘を引き起こします。高熱時に、腹部や胸部に「バラ疹」と呼ばれる斑点が現れますが、数時間で消失します。
発熱は、「稽留熱(けいりゅうねつ)」と呼ばれ、高熱が1~2週間も続きます。体力が消耗し憔悴しきったいわゆるチフス顔貌に変容します。高熱のためにせん妄などの意識障害が出たり、脳内出血や腸穿孔、肺炎、胆のう炎、肝機能障害などを引き起こすこともあります。
日本における、2000年以降の年間発症数は、各年50~80件ほどです。
欧米先進国では、経口生ワクチンや注射による不活化ワクチンがあり発展途上国への渡航者を対象に接種されていますが、日本ではいずれも未認可の状況です。
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