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[ Physical Illness ]

* Infectious Diseases *
Infectious diseases type I


 感染症は、寄生虫、細菌、真菌、ウイルス、異常プリオンなどの病原体が体内に侵入し、増殖して、一定の病的症状を発症した状態のことをいいます。

 一類感染症の患者を診察した医師は、最寄りの保健所長を経由して知事に届け出が必要です。

 このページは、一類感染症に関するナビゲートページです。下記に一類感染症の各病気に関して概説していますので、病名をクリックして下されば直ちに詳細ページに移動できます。



こんな病気があります ◆〔一類感染症〕には、こんな病気があります。
エボラ出血熱

 エボラ出血熱は、フィロウイルス科のエボラウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症で、アフリカ中央部、および西アフリカで多く発症する感染症です。

 発病は突発的で、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛などを発現します。進行すると口腔、歯肉、結膜、鼻腔、皮膚、消化管など全身に出血、吐血、下血がみられます。

 好発年齢や性差は特にありませんが、感染すると死亡率は50%以上に達します。

クリミア・コンゴ出血熱

 クリミア・コンゴ出血熱は、ブニヤウイルス科ナイロウイルス属に属するクリミア・コンゴウイルスによる感染症で、一類感染症に指定された病気です。クリミア・コンゴ出血熱ウイルスを有するダニに噛まれることで感染します。

 発症は突発的で突然40度C以上の発熱があり、頭痛、筋肉・関節痛、上腹部痛、腰痛などが出現します。口蓋に紫斑、結膜炎、徐脈、下痢などの症状が現れることもあります。

 発病後3~5日でいろいろな粘膜に紫斑が出現します。重症化すると軽い点状出血から大紫斑までにおよぶ種々の程度の出血が起こります。

痘そう

 痘そうは天然痘・疱瘡・痘瘡とも呼ばれる病気で、天然痘ウイルスを病原体とする感染症です。痘そうウイルスの宿主はヒト以外になく、ヒトからヒトへ空気感染や接触感染で感染します。

 痘そうは非常に強い感染力を有し、感染すると全身に膿疱を生じ、治癒しても酷い瘢痕を残すため、かつては世界的に悪魔の病気などと恐れられていた病気です。

 痘そう(天然痘)は、1977年にソマリアで発生した患者が最後で、それ以降の発生はなく、1980年5月には根絶宣言が出されました。

南米出血熱

 南米出血熱は、次のような出血熱の総称で、それぞれ特定のアレナウイルス科のウイルスが原因となる病気です。

  • アルゼンチン出血熱
  • ブラジル出血熱
  • ベネズエラ出血熱
  • ボリビア出血熱
  •  中南米の特定地域に分布して発症します。媒介動物は現地に棲息するげっ歯類で唾液や排泄物との接触や吸入などです。

     南米出血熱は、感染後の7~14日間の潜伏期間を経て、突然の発熱、筋肉痛、頭痛、悪寒、筋肉痛、眼窩後痛、背部痛、消化器症状などで発症します。3~4日後には目眩や嘔吐が始まり身体は衰弱してきます。

     多くの場合、発症後10~13日後くらいから症状が改善し寛解傾向となりますが、完全に回復するまでには数か月かかります。南米出血熱の致死率は30%以上です。

ペスト

 ペストは黒死病とも呼ばれる極めて感染性の大きい疾患で、かつては全世界で何度となくパンデミックを起こした病気です。

 ペストは感染後2~5日ほどで、全身の倦怠感や寒気、悪寒がし、高熱が出て発症します。ペストには感染の仕方により、次のような症状パターンがあり、その後の症状は異なります。

  • 腺ペスト
  • ペスト敗血症
  • 肺ペスト
  • 皮膚ペスト
  •  ペストを媒介するのはげっ歯類のネズミで、人体内にペスト菌が侵入して感染します。感染すれば大多数が数日で死に至ります。

マールブルグ病

 マールブルグ病は「マールブルグ熱」や「ミドリザル出血熱」とも呼ばれるウイルス性出血熱で、フィロウイルス科のマールブルグウイルスという病原体が原因の人獣共通の感染症です。

 感染後3~10日ほどで、突然の発熱、前頭部と側頭部の頭痛、倦怠感、筋肉痛、吐き気、嘔吐、皮膚粘膜発疹、咽頭通などの初期症状で発症します。発症後1~2日後には水様性の下痢を起こします。同時に昏睡や精神活動に異常を来たします。

 5~7日後には、顔や頚部から暗赤色の斑点状発疹が発生し、全身に広がります。多くの場合、患者は7~9日目に死に至ります。致死率は23~25%です。

ラッサ熱

 ウイルス性出血熱は、ネズミを宿主とするラッサウイルスによる感染症で、皮膚や内臓粘膜に出血をみる病気です。

 ラッサ熱の潜伏期間は5~21日で、突発的で40度C前後の発熱や全身倦怠、頭痛、咽頭痛、吐血、下血などの初期症状で発症し、徐々に進行します。

 発症後3~4日目には大関節痛や腰部通が現れ、頭痛、咳、咽頭痛の他、後胸骨痛、心窩部痛、嘔吐、下痢、腹部痛などの症状が見られます。重症化すると、顔面や頚部の浮腫、消化管粘膜からの出血、脳症、胸膜炎、心のう炎、腹水がみられるようになり、時にショックが現れます。

 一旦軽快後に2~3か月して、再燃することがあり、回復後に聴覚神経(難聴)をはじめとする知覚神経麻痺や歩行失調の症状が残ることがあります。妊婦では胎内死亡や流早産を起こすことがあります。