乳幼児や老人などが、ニコチンを誤飲・誤食すると、急激にニコチン中毒の症状を引き起こします。この場合には「急性ニコチン中毒」と呼ばれます。
特に水に溶けた状態のニコチンを誤飲すると急速に吸収され症状も重くなります。タバコ自体を誤飲した場合は、酸性の胃液のためにニコチンが溶出しにくくなるため吸収は遅くなります。
ニコチンの誤飲・誤食による中毒症状は、軽症なら吐き気や脈拍上昇、呼吸促進など刺激・興奮状態となります。重症時には、徐脈や痙攣が起こり、更に意識障害や呼吸麻痺など危険な抑制症状が現れてきます。
タバコによるニコチンの摂取を続けていると、ニコチン受容体に異変がおこり、24時間、ニコチンを渇望するようになってしまいます。これが「ニコチン依存症」あるいは「喫煙依存症」「ニコチン中毒」「タバコ中毒」の症状です。
ニコチン依存症に陥っている人は、喫煙でリラックスできると考えていますが、現実には、喫煙によってニコチン離脱症状を一時的に緩和しているにすぎません。
ニコチン依存症は、心・精神の病気の一つですから治療する必要があります。また、適切な治療により、依存状態から離脱することも不可能ではありません。
喫煙者は毒物を摂取し続けることで健康に重大な影響を招きます。特に、肺がんの発症率は非喫煙者に対して数十倍も高くなります。執拗な喫煙者は、肺がんでの死を覚悟しなくてはなりません。
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