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 一般に慢性前立腺炎は、治りにくい病気ですが、生命に関わるようなことはありません。きちんと治療すれば必ず治ります。
  
 慢性細菌性前立腺炎の場合は、内服薬による抗菌薬治療(抗生物質)を4~6週間続けます。慢性炎症を生じた前立腺には、抗菌薬は届きにくく、やや長期間の服用が必要となります。数か月間必要になることがあります。
  
 抗菌薬には、前立腺液への薬物移行が良好なニューキノロン剤が最も一般的に用いられます。製品名には、クラビットやタリビッド、オゼックス、トスキサシン、シプロキサン、フルマーク、スパラ、バクシダール、メガシロンなどがあります。
  
 慢性非細菌性前立腺炎の治療でも一般雑菌による感染の合併も少なくないので、前立腺マッサージによる前立腺液の排出と併せて、1~2週間の抗菌剤投与を行います。これで改善できない場合、他に有効な手立ては無く、対症療法での治療のみが行われます。
  
 但し、慢性非細菌性前立腺炎でも原因が性感染症の原因病原体であるクラミジアやマイコプラズマ、ウレアプラズマの感染が疑われる場合は、次のような抗菌剤が有効です。
  
 クラミジアには、ニューキノロン系やマクロライド系医薬、テトラサイクリン系医薬が使われます。また、マイコプラズマやウレアプラズマに対しては、マクロライド系医薬が使われます。
  
     
    
    
    
    
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       ニューキノロン系医薬製品名 
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クラビット、タリビッド、オゼックス、トスキサシン、スパラ
  
       
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       マクロライド系医薬製品名 
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クラリス、クラリシッド
  
       
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       テトラサイクリン系医薬製品名 
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ミノマイシン、ビブラマイシン
  
       
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 前立腺痛(ロスタトディニア)の治療は、原因も定かでなく格別な治療法もありません。多くの場合、精神科的疾患とも関連するので、泌尿科医だけでは解決できないかも知れません。
  
 慢性前立腺炎を悪化させる因子として飲酒癖、過労、緊張、ストレス、長期座位、刺激物の多量摂取、射精不足、熱い風呂、慢性的な骨盤底への物理的刺激などがあります。逆に、改善因子として、多量の水分摂取、整腸、温座浴、軽い運動、一定期間ごとの射精などが効果あります。
  
    
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