Typical diagnostic method
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成人の場合の尿失禁では、何らかの問題が潜んでいる場合もあるので、多くの検査を行いますが、小児や低学年児童では、特別な検査は行いません。
しかし、小学校高学年(11歳以降)になっても毎晩おねしょしたり、おねしょの量がパンツやパジャマばかりかシーツが濡れるほどの多量だったりする場合には、病気としての夜尿症の可能性があります。この場合には、成人の尿失禁と同様な検査・診断・治療が必要となるかも知れません。
参考までに、成人の尿失禁の場合の診断では「問診」「採尿検査」「腹部超音波検査」および「ウロダイナミクス検査」などが行われます。以下にそれらの方法などについてご説明します。
問診
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問診で、現在の日常生活や排尿状況、失禁の起こる状態を確認します。問題の原因を見極め、今後の治療方針を定めるために役立てます。
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採尿検査
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尿を採取し、尿の各成分の成分分析、血球や細菌の有無などを調べて、泌尿器系の病気などを診断します。
尿失禁の詳細を把握するために、最低3日間の尿失禁状態の記録をとります。排尿回数、時刻、尿失禁の有無、失禁時の漏れ量などを記録します。これにより、尿失禁の型が判定できるようになります。
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腹部超音波検査
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腹部超音波検査で、排尿後の膀胱内の残尿量を調べます。残尿量が多い場合には、「溢流性尿失禁」の可能性が高まります。また、前立腺障害や腎臓障害などの異常の有無などの判定にも役立ちます。
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ウロダイナミクス検査
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ウロダイナミクス検査は、「尿流量測定」「膀胱内圧力測定」「リークポイント・プレッシャー測定」「尿道括約筋・筋電図測定」および「プレッシャーフロー・スタディ」など多くの検査があります。
尿流量測定
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尿の出はじめから終わりまでの量変化の測定で、グラフから排尿障害の有無を調べます。
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膀胱内圧力測定
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尿道から膀胱へ測定機器を挿入し、生理食塩水を注入します。膀胱内の溜まりから排尿にいたるまでの膀胱内圧を測定し収縮パターンを解析します。内圧や収縮力から、どの型の尿失禁か判定します。
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リークポイント・プレッシャー測定
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膀胱に水を満たした状態で腹圧をかけ、尿が漏れ出す瞬間の尿道や括約筋の働きを調べ、腹圧性尿失禁かどうかを判定します。
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尿道括約筋・筋電図測定
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尿の溜まりはじめから排尿までの、尿道括約筋の筋電図をとり、尿道括約筋の収縮不全が原因の腹圧性尿失禁かどうかを判定します。
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プレッシャーフロー・スタディ
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尿流量測定と膀胱内圧測定を同時に行い、排尿障害の原因を突き止めます。
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