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[ Physical Illness ]

* Illness of Endocrine &
 Metabolism *

Obesity


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 〔肥満症〕とは、正常な状態に比べて体重が異常に多い状態、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状態をいいます。

 しかし、より正しくは、体重が多いか少ないかではなく、過剰な体脂肪が蓄積しているかどうかで決まります。体重があっても筋肉質なら肥満症とはいいません。

 一般的に欧米諸国では肥満の人がとても多く、アジア諸国では少ないです。しかし、食文化が欧米化した現在では、アジア人でも肥満の割合は増えてきました。また、最近では、小児の肥満が増加傾向にあることが問題です。



 肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症などのさまざまな病気を誘引する危険因子であり、万病のもとともいわれます。肥満は食物の摂り過ぎや運動不足が原因であり、肥満を予防するためには、生活習慣を改善する必要があります。

 日本での肥満傾向児童の出現率を見ると、男子児童では9歳以降ではほぼ10~13%となっています。女子児童では8~10%程度です。


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Overview

[ A disease called Obesity ]

What kind of illness is it?

 肥満には、皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満とがあります。これらの脂肪はエネルギーの蓄積するという意味では同じですが、皮下脂肪は脂肪細胞の数が増えやすく、内臓脂肪では、ひとつひとつの細胞が太る傾向があります。皮下脂肪が増えにくく減りにくいのに対して、内臓脂肪は増えやすく減りやすい特徴があります。

 肥満が怖いのは、体重の増加や体形の変化だけではありません。本当に怖いのは、脂肪が増えることで多くの重大な合併症を発病しやすいからです。代表的な合併症には、糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症、呼吸器疾患、整形外科疾患などがあります。


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Symptom

[ Symptom of Obesity ]

Typical symptoms

 肥満のタイプによって体形が変化します。皮下脂肪型肥満は、女性に多く、洋梨型肥満(下半身型肥満)といわれ、下半身が丸くなります。

 これに対し、内臓脂肪型肥満は男性に多く、リンゴ型肥満(上半身肥満)といわれ、ヒップよりウエストが大きくなります。この内蔵脂肪型肥満は、多くの生活習慣病を誘発する危険性が非常に高く、特に危険性の多い肥満となります。


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cause

[ Cause of Obesity ]

Typical Causes

 肥満の直接的原因は、体の各部に脂肪が蓄積されることで起こります。肥満は、脂肪の蓄積する部分によって、皮下脂肪型肥満と内蔵脂肪型肥満とに分けられます。本来、体の中の脂肪はエネルギー源でもあり、臓器を保護するための機能も果たしています。脂肪は皮下に貯えられたり、肺や肝臓、腸などがある体腔内にも貯えられます。皮下の脂肪は皮下脂肪と呼ばれ、体腔内の脂肪は内臓脂肪と呼ばれます。

 肥満の直接的原因として、食事などでのカロリー摂取量が、基礎代謝(呼吸や安静時の消費されるエネルギー)や運動時の消費カロリーよりも定常的にオーバーしていると起こります。簡単にいえば、食べすぎと運動不足が主な原因となります。潜在的原因としては、遺伝的要因(体質)も見逃せませんが、環境因子としての生活習慣がより大きく寄与しています。


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Diagnosis

[ Diagnosis of Obesity ]

Typical diagnostic method

 肥満の診断には、体重による肥満診断法(BMI法)、体脂肪率による肥満診断法、ウエスト周囲長による判定法などがあります。肥満は直感的にも分かりやすいのですが、これらの方法を組み合わせてより確かな判断ができ、極度の肥満に対しての治療が可能となります。

体重による診断方法
BMI法

 肥満は簡単にいえば、標準体重より概ね20%以上体重が超過すれば肥満といってもいいかと思われますが、この定義だけではいろいろな不確かさがあります。そこで、現在、成人の体重による肥満診断にはBMI(ボディマスインデックス)という方法が用いられるようになりました。日本肥満学会基準2000年でのBMIによる肥満の定義は次の通りです。

 ここでBMIの計算は次の式による。

  BMI=(現在の体重 kg)/(身長 m * 身長 m)

肥満度BMIとその状態

肥満度

BMI

備考

低体重(やせ気味)

17.9以下

正常

18.5以上~25未満

肥満1度

25以上~30未満

肥満2度

30以上~35未満

治療が必要かも知れません。

肥満3度

35以上~40未満

治療が必要です。

肥満4度

40以上

治療が必要です。


 BMIでの評価は身長と体重から単純に計算できる便利さがあり、肥満の目安にはなるのですが、この値だけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか、更に皮下脂肪型肥満なのか内蔵脂肪過多肥満なのかの判定は全く出来ないという欠点があります。従って、普通の体形の人には有効な方法ですが、特別な体形(骨太、足長、骨細、筋肉質)の人には必ずしも正しくはありません。

 BMI(ボディ・マス・インデックス=肥満指数)の統計的な調査結果から、BMI=22という状態が最も健康な状態であることが分かりました。これを用いて身長ごとの標準体重を計算すると、最も好ましい標準体重が分かります。その標準体重を20%以上超えると、肥満と呼ばれることになります。

標準体重と肥満限界体重

身長 cm

標準体重 kg

これより肥満 kg

備考

140

43.1

51.7

145

46.3

55.5

150

49.5

59.4

155

52.9

63.4

160

56.3

67.6

165

59.9

71.9

170

63.6

76.3

175

67.4

80.9

180

71.3

85.5


ウエスト周囲長による診断

 ウエスト周囲長による肥満の判定法では、男性で85cm以上 女性で90cm以上は生活習慣病になりやすい肥満と判定されます。

 この基準では多くの男性は肥満と判定されてしまうため、いろいろな議論はあるのですが、現状ではこのようになっているのです。


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treatment

[ Treatment of Obesity ]

肥満の治療方針

 肥満は、基礎代謝や運動で消費されるエネルギーよりも食品から摂取するエネルギーの方が多すぎるとき起こります。基本的な肥満防止の方法や治療方法は、エネルギーの摂取を減らし、運動に使用するエネルギーを増加させることとなります。

 摂取するエネルギー源としては、蛋白質、脂質、糖質、アルコールなどがあります。摂取するエネルギーを減らす対策としては、まずアルコールを減らすことが必要です。アルコールの摂取量を減らしても欠乏症は一切起こらないから安心です。アルコール好きな人には地獄かも知れませんが。

 蛋白質、糖質、脂肪はどれも必要な栄養成分なので、過剰摂取はいけませんが、摂取しないわけにはゆきません。蛋白質は体を構成する重要な栄養素であり、体重1kgあたり毎日10gは必要です。脳や神経系などはブドウ糖からしかエネルギーを得られないので糖質の摂取も不可欠です。また、高エネルギーな脂肪も脂溶性ビタミンの吸収を高めたり、必須脂肪酸が必要なことから一定量は摂取しなければなりません。

 このようなことから、全体での摂取エネルギー量を制限した上で、まず蛋白質の必要量を確保し、脂肪は摂取する全体エネルギーの20~30%以内とし、残りの55~60%のエネルギー相当分を糖質で摂るとバランスがよいといわれています。また、蛋白質、糖質、脂肪の代謝を高めるためにビタミンやミネラルをしっかり摂取することも重要です。食物繊維などの成分も必要です。

ダイエット

 肥満になってしまったら、ダイエットが必要ですが、これは相当な決心と強い意思がないと完遂できません。ここに、ダイエットのための指針例をあげておきます。

肥満解消ダイエット

食事のカロリー制限

 摂取するエネルギー量を <標準体重X22~25kcal> に制限します。蛋白質は十分に摂取し、脂質はできるだけ制限します。

食習慣の改善

 毎日3食をきちんと食べるように努力します。ゆっくりとよく噛んで食事を楽しむようにし、まとめ食い、ながら食い、やけ食い、夜食、間食は禁止します。

適度な運動

 毎日、最低30分の軽い運動をします。1分間の脈拍が120程度になるような運動がよく、散歩、軽いジョギングなどがおすすめです。

薬物療法

 食事カロリー制限、食習慣の改善、適度な運動を励行することでダイエットするのが最も好ましいのですが、これらは簡単なようで実は、非常に厳しい努力と固い決心とが必要です。

 そこで、どうしても厳しさに負けてしまう人の最後の手段が、薬物療法となります。薬物療法は重篤な副作用を伴うこともありますので、食欲抑制剤などを使用する場合には、医師の指導が必要です。