[ Cause of Glaucoma ]
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緑内障の種類
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一口に緑内障といっても、その原因となるものが眼のどの部位にあるかなどによって多くの種類に分類されています。それにより現れてくる症状にも多少の違いがあります。
「ICD-10(WHO:世界保健機構が設定した国際疾病分類の第10版)」の分類では、緑内障関係には全部で34もの病名がリストアップされています。
これらの分類は、眼の内部の構造的な区分、慢性か急性かなどの区分、原因が分かっているか分からないかの違い、眼圧が高いかどうかによる区分、他の疾患や外傷・薬物などによって誘因されたものかどうかの違いなど、非常に多くの要因に基づいて分類されています。先ず、そのような「ICD-10」による緑内障の病名を示しておきます。
偽緑内障 |
高眼圧症 |
視神経乳頭陥凹 |
開放隅角緑内障 |
偽落屑症候群 |
原発開放隅角緑内障 |
色素性緑内障 |
水晶体のう緑内障 |
正常眼圧緑内障 |
慢性開放隅角緑内障 |
慢性単性緑内障 |
悪性緑内障 |
急性閉塞隅角緑内障 |
急性緑内障発作 |
原発閉塞隅角緑内障 |
慢性閉塞隅角緑内障 |
外傷性隅角解離 |
外傷性緑内障 |
ポスナーシュロスマン症候群 |
急性炎症性緑内障 |
過分泌緑内障 |
血管新生緑内障 |
出血性緑内障 |
水晶体原性緑内障 |
水晶体融解緑内障 |
続発性緑内障 |
無水晶体性緑内障 |
溶血緑内障 |
ステロイド緑内障 |
薬物誘発性緑内障 |
医原性緑内障 |
混合型緑内障 |
原発性緑内障 |
緑内障 |
眼の虹彩(茶目)とまぶたの間で、眼の中の房水を繊維柱帯・シュレム管へと排出する出口を「隅角(ぐうかく)」と呼んでいます。隅角が標準的な状態に比して狭すぎることで発症する緑内障は「閉塞隅角緑内障」であり、広すぎて発症すれば「開放隅角緑内障」となります。
隅角の構造に異常があるが誘因が分からないものは、原因不明という意味で「原発性」という言葉を付けて、たとえば「原発性開放隅角緑内障」などと呼ばれます。また、症状が急性か慢性かによっても分類され、たとえば「慢性閉塞隅角緑内障」などと分類されています。
その他、何らかの外傷や疾患があって、それに引き続いて発症する緑内障は総称として「続発性緑内障」などと呼ばれています。たとえば、外傷が誘因となって発症するものは「外傷性緑内障」ですし、薬物の摂取が原因で発症すれば「薬物誘発性緑内障」となります。
このように、緑内障には非常に多くの病名種類があるのですが、特に重要なものは「閉塞隅角緑内障」「開放隅角緑内障」および「続発性緑内障」となります。また、「ICD-10」分類では明示されていないのですが、眼の隅角に先天的な異常がある型の緑内障があり、これは「発達緑内障」と呼ばれています。
すべての緑内障を解説するのは困難なので、このページでは、最も重要と考えられるいくつかの緑内障だけをご説明しています。
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閉塞隅角緑内障の 原因と症状
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閉塞隅角緑内障は、左図で示すように隅角部分が極端に狭くなることで、房水がシュレム管に向かって流れにくくなり、眼内に滞留してしまう病気です。これにより眼圧が上昇してしまいます。
閉塞隅角緑内障には、その発症原因や症状の出方などによりいくつかの種類があります。
・原発閉塞隅角緑内障(閉塞隅角緑内障)
・急性閉塞隅角緑内障
・慢性閉塞隅角緑内障
・続発性閉塞隅角緑内障
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原発閉塞隅角緑内障
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特別な原因や誘因となるような全身疾患などがないのに発症する緑内障の中で、隅角が極端に狭くなることで、房水の排出が極度に阻害され、眼圧が上昇するタイプの緑内障が「原発閉塞隅角緑内障」です。
隅角が急激に閉塞するものと、隅角が部分的に詰るものとがあり、それぞれ「急性閉塞隅角緑内障」および「慢性閉塞隅角緑内障」と呼ばれています。
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急性閉塞隅角緑内障
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急性閉塞隅角緑内障は、最も古くから知られているタイプの緑内障で「急性閉塞隅角症」とか「原発性急性閉塞隅角緑内障」とも呼ばれています。
急性閉塞隅角緑内障は、比較的短期間の間に房水排出部である隅角が閉塞し、房水排出能力が急激に低下し、これに伴って眼圧が急激に上昇することで発症します。
このタイプの緑内障は、急いで暗い部屋に入り瞳孔が急激に開いたときなどに起こりやすく、突発的な激しい頭痛、目の痛み、腹痛、吐き気、虹視などの症状から始まります。急激な視力低下を招くこともあり、治療が遅れると一晩のうちに失明してしまう可能性があります。
通常、夜間から明け方に発症しやすく、主に中年以降の女性で遠視の方に好発するといわれます。
出現する激しい症状が脳疾患の発作に似ていることから、脳疾患と誤診されることもあり、注意を要します。
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慢性閉塞隅角緑内障
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房水排出部の隅角が部分的に閉塞している状態の緑内障であり、あまり自覚症状はありません。病状が進行してくると、徐々に視力障害や視野狭窄の症状が起きてきます。
軽症のうちは自覚症状がほとんど何もないため、自覚症状が現れるころには末期緑内障となっていることが多いので、危険な病気です。
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続発性閉塞隅角緑内障
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先行する何らかの目の病気や異常などがあり、それに引き続いて発症する緑内障です。これには「ぶどう膜炎続発緑内障」「角膜移植後緑内障」「小眼球症」および「悪性緑内障」などが知られています。
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開放隅角緑内障の 原因と症状
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開放隅角緑内障は、左図で示すように隅角部分は正常な広さがあるのですが、隅角から房水が流れ込むべき繊維柱帯が目詰まりを起こし、房水の排出を阻害し房水が行き場を失って眼内に滞留、眼圧が上昇して発症する緑内障です。
開放隅角緑内障には、その発症原因や症状の出方などによりいくつかの種類があります。
・原発開放隅角緑内障
・正常眼圧緑内障
・続発性開放隅角緑内障
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原発開放隅角緑内障
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繊維柱帯の詰りのために房水が眼内に滞留し眼圧が上昇して、その圧力で視神経が障害される緑内障です。原発性開放隅角緑内障は、緑内障としては一番多いタイプで、緑内障全体の9割を占めています。
症状は慢性型閉塞隅角緑内障と同様で、ほとんど自覚症状はなく、病状が進行してくると、徐々に視力障害や視野狭窄の症状が起きてきます。
これも自覚症状が実感される頃には、末期的緑内障状態となることが多いので、注意が必要です。
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正常眼圧緑内障
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正常眼圧緑内障は、繊維柱帯の目詰まりが起こり房水が滞留するタイプでも、眼圧自体はほぼ正常範囲に保たれていて、しかも視神経が障害されるタイプの緑内障です。
正常眼圧緑内障は、視神経の血液循環が悪いために、眼圧がほとんど正常範囲であっても、視神経が障害されるのが原因ではないかと推定されています。
臨床的観点では、原発性開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障は区別することなく、単に原発性開放隅角緑内障として治療されます。
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続発性開放隅角緑内障
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続発性開放隅角緑内障は、先行する何らかの目の病気などがあり、それに引き続いて発症する緑内障の総称です。
先行する病気や異常には「糖尿病」「白内障」「ブドウ膜炎」「ステロイド薬」「外傷」「偽落屑」および房水の出口である隅角に「先天異常」があることで発症する緑内障などが知られています。
糖尿病網膜症では、網膜症の進行により酸素が不足し、隅角に新生血管と呼ばれる新しい血管が延びてくることで眼圧が上昇するとされています。
白内障やブドウ膜炎では炎症を起こすことで眼圧が上昇し発祥する緑内障です。
ステロイド薬によるものは、ステロイドにより隅角の機能が低下して眼圧上昇を招き緑内障が発症します。
外傷性緑内障は、眼球を強く打撲した後に、繊維柱帯の機能が低下して眼圧が上昇し、発症する緑内障です。
偽落屑緑内障は、虹彩や水晶体、隅角などにフケ状の物体が沈着して発症する緑内障です。このタイプは高齢者に多くみられます。
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発達緑内障の原因と症状
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房水出口の隅角部に先天異常があっても緑内障は発症します。生れた直後から眼圧が高い場合、眼球自体が大きくなることがあり、拡大した角膜(黒目)の状態は「牛眼」と呼ばれます。
明るいところでは激しい羞明(眩しさ)や流涙の症状を呈することがあります。
また、隅角以外の先天異常を伴う発達緑内障もあります。
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