痘そうに感染すると、7~17日間の潜伏期間を経て発症します。発症初期には40度C前後のインフルエンザ様の高熱と頭痛や腰痛などではじまります。
発熱後3~4日すると、一旦熱は下がりますが、今度は頭部や顔面を中心に皮膚の色に近い豆粒状の特徴的な発疹・丘疹が現れ、徐々に全身に広がってゆきます。
一週間ほどすると、皮膚表面の発疹が化膿して膿疱となり、再度40度C以上の高熱が出ます。
痘そうの症状は、皮膚表面だけでなく、呼吸器や消化器などの内臓にも生じ、呼吸困難や危険な呼吸不全を来たすこともあります。最悪時は死に至ります。
発疹などの症状は2~3週間続き、やがて膿疱は瘢痕を残して治癒に向かいま。痘そうの病型には、致死率20~50%という高致命率のものと、1%程度の低致命率のものとがあります。まれに悪性型や出血型もあり予後は不良です。
痘そうは、1977年にソマリアで発生した患者を最後として、それ以降の発生はなく、1980年5月には根絶宣言が出されました。日本では1956年以降患者の発生はなく、1977年以降は種痘は実施されていません。
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