この病気は、元々は東南アジア、アフリカ、南米地域に多く発生している病気です。
〔軟性下疳〕の潜伏期間は、3~7日です。潜伏期を過ぎると、生殖器や肛門付近に痛みを伴う小さな水疱・コブが発現します。
コブは痛みを伴い、引っ掻くとすぐに潰れてしまいます。水疱がいくつも繋がり膿の塊である膿瘍となりますが、その膿瘍の表面は艶を帯びて赤くなります。
潰瘍は触ると痛みを感じます。1~2週間後には股のリンパが腫れ上がります。
発症部位は男女共に生殖器周辺となりますが、男女により多少の違いがあります。特に、多くの場合、男性では潰瘍がひとつだけですが、女性では4つ以上発生します。
男性の場合 |
男性では、包皮、カリ、亀頭、睾丸部周辺に痛みがあり膿をもつ米粒大のコブができ、触るとすぐに潰れて潰瘍になります。股付近のリンパ腺が腫れます。
潰瘍の数は、男性の半数ではひとつだけできます。
|
女性の場合 |
女性では、外陰部・大陰唇に痛みがあり膿をもつ米粒大のコブができ、触るとすぐに潰れて潰瘍になります。
股付近のリンパ腺が腫れます。通常、女性では潰瘍の数は4つ以上できます。
|
〔軟性下疳〕の治療には、数種類の抗生物質が有効です。セフトリアキソンの注射なら一回の投与で効果がでます。
その他にも、アジスロマイシン、シプロフロキサシン、エリスロマイシンの複数回の投与などでも治療できます。
軟性下疳は、アフリカやアジアなど、発展途上国にひろくつたわっている病気ですが、アメリカでは少ない病気です。日本では、海外渡航者が持ち帰ることがあります。
|