| 
    
 更年期においては、ほとんど全ての女性が身体や精神の変調を感じています。更年期障害の出現の仕方は人によりさまざまで、ほとんど全ての身体部位に症状が現れます。また、精神面への症状もいろいろと出てきます。更年期に出現する諸症状が更年期症状であり、それにより日常生活に支障がでる状態が更年期障害です。
  
 身体症状や精神症状の出方は一様ではなく、それぞれ個人差があります。また、症状もひとつだけが現れるとは限らず、不特定で複数の症状が同時に現れる特徴があります。発汗や顔の火照り、のぼせなどのような身体症状が強く出る人もいれば、気分が落ち込むというような精神症状が強くみられる人もいます。これらの症状は時間とともに変化することも多いです。
  
 更年期障害を出現する身体系統で分類すると「血管運動神経系」をはじめとして「知覚系・運動器系」「精神神経系」「消化器系」「外分泌系」「泌尿器系・生殖器系」および「その他」という風に分類されます。
  
     
    
    
    
    
     | 
       血管運動神経系 
      | 
     
       
 更年期障害の症状は、個人差が大きく、一様ではありません。更年期障害の最も特徴的な症状は、顔のほてりやのぼせ、異常な発汗、動悸、異常な冷えなどの血管運動神経系の症状です。
  
 ・顔の火照り、のぼせが強く、ものごとに集中できない。 
 ・息切れしやすく動悸が激しくなる。 
 ・血圧の不安定で上下に激しく動く。 
 ・暑くもないのに、自分だけ汗をだらだらとかく。 
 ・寒くもない時期なのに身体が冷えやすい。 
 ・脈がひどく速くなり頻脈症状となる。。 
 ・耳鳴りがする。
  
 これらの症状の多くはは、エストロゲン欠乏により脳の自律神経調節中枢の機能が変化するために生ずると考えられていて、5年ほどで消失するのが普通です。
  
       
      | 
     
    
     | 
       知覚系・運動器系 
      | 
     
       
 知覚系・運動器系の主な症状は、手足や腰の痛み(腰痛)、肩こり、関節痛、しびれなどです。
  
       
      | 
     
    
     | 
       精神神経系 
      | 
     
       
 精神神経系の主な更年期障害の症状は、頭痛やめまい、耳鳴、不眠、不安、憂うつ、吐き気などです。情緒が不安定になり、不安感やイライラ感に悩まされ、抑うつ気分などの精神的症状が現れます。
  
 女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、中枢神経系の機能の低下や閉経による性機能の低下などから精神的な面への影響が広がります。
  
 ・閉経による女性としての性の喪失感に悩む。 
 ・子供が成長し母性を発揮できなくなる喪失感に悩む。 
 ・パートナーとの一体感の喪失に悩む。 
 ・気分が滅入りり、激しく落ち込む。 
 ・眠りが浅くなり、寝つきも悪く不眠状態になる。 
 ・不定愁訴に襲われ怒りっぽくなる。
  
       
      | 
     
    
     | 
       消化器系 
      | 
     
       
 食欲不振となり、悪心や嘔吐に襲われたり、頻繁に便秘や下痢になる。
  
       
      | 
     
    
     | 
       外分泌系 
      | 
     
       
 口腔や外陰部の乾燥感がある。
  
       
      | 
     
    
     | 
       泌尿器系・生殖器系  
      | 
     
       
 女性ホルモン、エストロゲンの低下により膀胱筋力低下などが起こり、頻尿となったり尿失禁を起こしたりします。
  
 初期には月経周期が短くなり、その後は月経周期が延長し月経回数が減少しやがて閉経します。この間に生理不順があったり不正出血することがあります。閉経後の老人性膣炎により、膣前庭の灼熱感や掻痒感、乾燥感が現れます。
  
 性交時に痛みを感じたり性欲自体が減退します。
  
       
      | 
     
    
     | 
       その他 
      | 
     
       
 疲れやすくなり、全身倦怠感や腹痛、むくみなどの症状が現れます。また、女性ホルモン、エストロゲン低下により、骨粗鬆症や高脂血症、動脈硬化などの症状が出現します。
  
       
      | 
     
     
     
    
 これらの症状は、更年期障害で起こる典型的な症状ではありますが、更年期障害だけが原因で起こるとは限りません。特に症状がひどい場合などでは、かかりつけ医での詳しい診断を受けることが望ましいです。
  
    
   |