病原体のジアルジアランブリアは、別名「鞭毛虫」とか「モンキーフェイス」とも呼ばれる原虫で、その生活史は栄養型と嚢子(のうし)より成ります。
ジアルジアの嚢子に汚染された飲食物が経口的に摂取されると、嚢子は胃を通過後には速やかに脱嚢して栄養型となり、十二指腸から小腸上部付近に定着し寄生します。
寄生が胆道から胆嚢に及ぶこともあります。
〔ジアルジア症〕の潜伏期間は5~25日間程度です。感染しても症状のでない無症候性感染者も多くいますが、発症する場合の主な症状は、次のようなものなどですが通常、発熱はありません。
・下痢
・衰弱感
・体重減少
・腹痛
・悪心や脂肪便
下痢は非血性で水様~泥状便で、排便回数は一日数回程度から、20回以上など様々でであり、半数の患者では腹痛を伴います。まれに胆管炎や胆嚢炎を起こすこともあります。
低栄養小児や分泌型IaA低下患者などでは、慢性化、重症化することもありますが、健康状態が良好な日本では、小児や老人、基礎疾患のある人以外では重症化することはまれです。
〔ジアルジア症〕は、発展途上国を中心に世界で約2億人の感染者がいて、150万人の患者がいると推定されています。
日本での1年間の発症数は50~100人ほどで、多くは海外での感染とされています。
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