妊娠2~16週の間に風疹に感染するとこの病気になるリスクが高くなります。
中でも妊娠の初期、特に妊娠3か月以内に感染し、ある量以上のウィルス増殖が有れば、高い確率で発症するとされています。
特に重要な点は、風疹ウイルスに感染しても、成人の15%程度は無症状感染者となるので、母親が無症状であっても、〔先天性風しん症候群〕が発症することがあるという点です。
妊娠21週以降の妊娠後半期であれば、風疹に感染しても〔先天性風しん症候群〕のリスクはかなり低くなります。
一般にこの病気を持って生れる子供は、典型的な三大症状として、心奇形、眼異常、聴力障害を発症します。また、低体重児などその他の異常も現れます。
尚、〔先天性風しん症候群〕は英語では、〔CRS:Congenital Rubella Syndrome〕と呼ばれます。
心奇形 |
心奇形では、動脈管開存症、心室中隔欠損症、肺動脈狭窄症などが出現します。
|
眼異常 |
眼球異常として、白内障や緑内障、網膜症(脈絡網膜炎)、小眼症が出現することああります。
|
聴力異常 |
感音性難聴といって、生れた時点から両耳に高度な難聴が発症する場合が多く、現在の医学では治療は困難です。
|
その他の障害 |
その他の障害として、精神発達遅延、脳性麻痺、小頭症などの中枢神経障害が起こり、永久に障害を残すことがあります。
また、低出産体重、血小板減少性紫斑病、肝脾腫、肝炎、溶血性貧血、大泉門膨隆、間質性肺炎など生後一過性に症状が認められるものもあります。
|
このような異常が発症する確率は、風疹に感染する時期により大きく異なり、概ね次のようになっています。
妊娠4週目まで |
50パーセント以上
|
妊娠5~8週目 |
25パーセント
|
妊娠9~12週目 |
15パーセント
|
妊娠13~16週目 |
8パーセント
|
妊娠20週目以降 |
ほとんど影響はないとされる。
|
|