〔水疱瘡〕は一旦治癒しても、水痘帯状疱疹ウイルスは終生そのまま体内の脊髄後根神経節に潜伏感染し、成人後、免疫力の低下した時点で再燃し、〔帯状疱疹〕として発症すると考えられています。
このウイルスは、寒さと乾燥には強いですが、熱には弱いとされています。
〔水痘〕の潜伏期間は10~21日間程度ですが、典型的は潜伏期間は14~16日間とされています。
潜伏期間が過ぎると、発熱、倦怠感を伴いながら、躯幹から赤い点状の小丘疹が出現します。
発疹は一斉に出現するのではなく、数日掛けて続々と出現し顔面や四肢に広がってゆきます。発疹は、鼻咽頭、気道、膣などの粘膜にも出現することがあります。
発熱については、人によりまったく熱が出ない場合と、40度C前後の高熱が出る場合とがあります。また、身体が温まると痒みが増す傾向があります。
12~24時間ほどすると、発赤は丘疹から水疱を形成し、膿の溜まった膿疱となり、やがて痂皮(かさぶた)へと変化し治癒します。
この段階は発疹が出現した順番に進行するため、さまざまな段階の発疹が混在する状態がしばらく続きます。
発疹の出現は発症後3日目くらいがピークとなり、発症後7日くらいで全体的に痂皮となって治癒します。二次性細菌性感染を起こさない限りは、通常、瘢痕が残ることはありません。
〔アトピー性皮膚炎〕の患者では皮疹が重症になりやすいとされます。
また、妊婦や新生児、ステロイド療養中の患者などで免疫機能が変化している患者、がんの化学療法中の患者、〔エイズ〕などの免疫不全患者では重症化することがあります。
水痘は、冬から春にかけて流行し、夏から秋には減少する傾向があります。罹患年齢はほとんどが9歳以下です。
尚、原因病原体である水痘帯状疱疹ウイルスは「VZV:Varicella Zoster Virus」と呼ばれます。
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