原因病原体である二つのエンテロウイルスは、ヒトからヒトに直接接触で感染し、主に結膜に感染する特徴があります。
この病気の好発年齢は、6~7歳以下の幼少児が多く、特に1~4歳の幼児に多く発症します。
結膜からの出血が特徴的な症状です。この病気に対するウイルスを直接死滅させる医薬はなく、今のところ、特別な治療法はありません。
〔急性出血性結膜炎〕の潜伏期間は1~3日間です。
その後、突然の強い眼の痛み、ゴロゴロ感、眩しさなどの症状で始まり、結膜の充血、まぶたの腫れ、結膜下白目にボツボツとした点状出血が出現し、目やにや流涙が起こります。
最初は片眼だけの症状であっても、1~2日以内には他方の眼にもうつり両眼性となります。
頭痛、発熱、呼吸器症状などの全身症状も現れますが、約1週間すると治癒します。
EV70ウイルスが原因の場合、羅患後6~12か月内に四肢の運動麻痺を来たすことがあるので、経過観察が重要です。
この病気は、日本では、沖縄、長崎、熊本、鹿児島など九州各地でしばしば流行します。
〔急性出血性結膜炎〕は、略号および英語では〔AHC:Acute Hemorrhagic Conjunctivitis〕と呼ばれます。
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