狂犬病の症状には、「前駆期症状」と「急性期症状」とがあり、最終的には、「昏睡期症状」となり麻痺を起こして死に至ります。
時には、最初から「昏睡期症状」を呈して死に至ることもあります。
〔狂犬病〕は現在でも世界では頻発する病気であり、世界中で毎年約5万人ほどの死者がでています。
日本での発病は極めて稀ですが、海外滞在中に犬に咬まれた人が帰国後発症し死に至る例が数年に1回くらい発症しています。
〔狂犬病〕は4類感染症に指定されている感染症であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届出が必要です。
前駆期症状 |
咬傷部位に掻痒感を伴いながら、風邪に似た症状で熱感で発症する。
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急性期症状 |
やがて急性期となり、「恐水症状」と「恐風症状」を起こし強い不安感に襲われ、興奮し、麻痺や精神錯乱などの神経症状を呈するようになります。更に、腱反射や瞳孔反射の亢進がみられるようになります。
恐水症状は、水などの液体を飲み込もうとすると嚥下筋が痙攣し、激しい痛みを生じるため、水を極度に恐れるようになる症状です。
また、恐風症状とは、風の動きを過敏に感じるようになるため、これを避けようとする症状です。
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昏睡期症状 |
急性症状が出始めてから2~7日後には、脳神経や全身の筋肉が麻痺し、昏睡状態に陥ります。そして、呼吸障害を起こして死にいたります。
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