細菌に汚染物の飲食 |
感染動物のミルクなどを生で飲用したり、チーズにして飲食すると感染する。
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細菌を吸い込み |
実験室内で細菌の取り扱い中に吸引して感染する。
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皮膚などからの細菌侵入 |
皮膚の傷や目の結膜から細菌が侵入して感染する。酪農や農業従事者、獣医師、屠畜場従事者では職業的にこの機会が多い。
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〔ブルセラ症〕の感染期間は通常1~3週間ですが、数か月に及ぶこともあります。
ヒトに感染すると全身症状を呈し、あらゆる臓器に感染することが知られています。
〔ブルセラ症〕では、多くの症状が出現しますが、この病気に特異的な症状はなく、発熱、発汗、頭痛、背部痛、脱力感、疲労、体力消耗、体重減少、うつ状態など、他の熱性疾患と同様な全身症状が現れてきます。
身体所見では、持続的、間欠的、あるいは不規則な発熱が数週間~数か月も続き、リンパ節腫脹、肝脾腫大がみられことがあります。
多くの場合に症状は軽症で自然治癒しますが、ときに重症化することがあり、脳炎や髄膜炎などの中枢神経の炎症や心内膜炎、骨髄炎を起こします。
日本を含む工業国では動物のブルセラ症対策が行き届き、ヒトの感染は滅多におこりません。
しかし、途上国では、まだまだ発症があります。現時点では日本での発生はありません。
尚、〔ブルセラ症〕は英語では〔brucellosis〕といいます。
骨・関節系 |
最もよくみられる合併症で、腸骨坐骨関節炎、膝および肘関節炎、椎間板炎、骨髄炎、滑膜包炎などを起こします。
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消化器系 |
成人患者の約70%で食欲不振や吐き気、悪心、嘔吐、下痢、便秘などの胃腸症状が現れ、体重も減少します。
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呼吸器系 |
ほとんど症状は出ませんが、咳、労作呼吸困難が出ることがあります。きわめて稀に、咳、労作呼吸困難がみられます。
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泌尿器系 |
精巣炎が起こることがあります。
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神経系 |
うつ状態、髄膜炎がみられるが、頻度は2%以下です。
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心血管系 |
患者の2%以下で、心内膜炎を合併しブルセラ症による死亡原因の大半を占めています。
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