野兎病菌には、三つの型があり、北米型は症状が重症となりますが、日本で見られる型は軽症です。
野兎病菌は極めて感染力が強い菌であり、北米型は生物兵器としての使用が懸念されています。
〔野兎病〕の感染期間は1~14日です。
発病は突発的で、38~40度C発熱、悪寒、頭痛、気分不快、背部痛など全身の痛み、鼻かぜ、咽頭炎、咳、胸痛などの症状で発症します。
直ちに治療を開始しないと、これらの症状は何週間も持続し、発汗、悪寒、体力消耗、体重減少などを呈するようにまります。
野兎病菌がさらに広がると、肺炎や敗血症、髄膜炎などを起こすこともあります。
野兎病菌は、粘膜だけでなく皮膚からも侵入する特徴があり、通常、侵入した部位で増殖し潰瘍を形成します。
侵入部位付近のリンパ節で炎症を起こし、さらに別のリンパ節へと炎症を拡大してゆきます。〔野兎病〕は、最初に症状が出現した部位により分類されます。
〔野兎病〕は、北米、ロシアなど主に北半球で発生し、日本国内では東北、関東での発生がみられます。
農業従事者や狩猟者、本菌を扱う研究者が感染することが多い病気です。日本では1999年の1例以降の発症はありません。
尚、この病気の原因菌である野兎病菌は、英語では、「Francisella tularensis」と呼ばれます。
潰瘍・リンパ節型 |
潰瘍・リンパ節型は全体で45~80%あり、特にリンパ節型が10~25%あります。
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目・リンパ節型 |
汚染した手で目を擦るのが原因で、5%未満です。
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敗血症型 |
5%未満です。
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口・咽頭部型 |
5%未満です。
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胸膜・肺型 |
5%未満です。
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