[ Diagnosis of Pulmonary Tuberculosis ]
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Typical diagnostic method
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結核菌への感染の検査方法には、「ツベルクリン反応検査」「胸部X線検査」「結核菌検査」の三つの方法があります。
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ツベルクリン反応検査
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ツベルクリン反応検査は、人体のアレルギー反応を使って結核に感染しているかどうかを調べる検査方法です。
ツベルクリン液を前腕内側の真ん中に注射し、48時間後に反応を調べます。結核菌に感染した人やBCG接種を受けた人では、赤い斑点、硬いブツブツの硬結や二重赤斑などが現れます。感染が強ければ強いほど、大きく赤く腫れあがります。この腫れの大きさなどから陽性であるか、またその程度はどれ位か判定します。
陰性
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ツベルクリン反応が陰性なら、現状では結核菌感染していません。しかし、将来においては結核菌感染をきたす可能性があります。
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陽転
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前年度のツベルクリン反応が陰性で、今回は陽性になったツベルクリン反応陽転者で、結核菌に感染したことを意味しています。2年以内に発病する危険性が約5%あります。結核の初期症状である微熱の継続や咳、痰などの症状がないか注意が必要です。
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強い陽性
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ツベルクリン反応として水疱形成や二重発赤が認められます。以前に結核菌を吸い込んだことを意味し、2年以内に約5%の方が発病する危険性があります。また、一生を通じてさらに約5%の方が発病します。
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弱い陽性
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ツベルクリン反応に10mm以上の発赤があるが、硬結は認められなません。多くの場合、小児期のBCGによる陽性化の可能性があります。油断はできませんが、結核菌感染に対する抵抗力があると考えられます。
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中等度の陽性
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ツベルクリン反応で硬結が認められます。BCG陽転の可能性と結核菌感染の可能性のどちらかが考えられます。毎年の胸部X線検査が必要です。
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胸部X線検査
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肺結核の早期発見に効果があるのが、レントゲン撮影(胸部X線検査)です。結核が発病していれば、90%以上の確率で発見できます。
結核が発症していれば、肺上部の背中側に病巣が写ります。病状がかなり進行していれば空洞が見られます。ここには結核菌が大量に存在し、このような空洞をもつ人は、周囲の人への結核菌の感染源となります。結核病学会では病巣の性状により、肺結核の病型を次のように分類しています。
0型
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病変がまったくない状態です。
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I型 広範空洞型
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空洞が第2肋骨の上端を結んだラインを超えて広がり、肺の病巣範囲の合計が片肺分に達した状態。
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Ⅱ型 非広範空洞型
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空洞がみられ、Ⅰ型には当てはまらない状態
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Ⅲ型 不安定非空洞型
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炎症が起こっているために空洞はみられず、病巣の縁がはっきりしない状態
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Ⅳ型 安定非空洞型
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炎症が落ち着き、病巣が収縮して空洞になったり石灰化し、結核腫とよばれる状態。円形陰影のX線写真
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Ⅴ型 治癒型
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病巣が石灰化し、治癒した状態
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結核菌検査
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X線写真で肺結核の疑いがあれば、結核菌検査で詳しく調べます。痰に結核菌が確認されれば、肺結核と診断されます。
痰を顕微鏡で調べますが、菌の数が少ないと、顕微鏡では判定できないので、培養が必要となります。結核菌は細胞分裂の一回あたりの速度が非常に遅く、15時間もかかるので、正確な判定ができるまでに8週間もかかります。
しかし、最近の技術の進歩で、もっと迅速に診断できる方法も開発されつつあります。
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