[ A disease called Pneumonia ]
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What kind of illness is it?
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肺炎は、肺組織の中で病原体である微生物が増殖しておきる炎症性疾患の総称ですが、肺の急性感染症を指す場合が多いです。一般的には、体力が落ちているときや高齢のため免疫力が落ちていると罹りやすくなります。
肺の中で微生物が繁殖すると、発熱、咳、痰、胸痛、呼吸困難などの症状が現れます。これが肺炎です。肺炎の原因となっている病原菌を培養して特定するには時間がかかるので、待てない場合もあり、最も可能性の高い抗菌薬を使うことになります。高齢者の死亡率の中で肺炎は非常に上位に位置しています。
肺の基本的機能は、空気中の酸素を血液中に送り出し、かつ血液中の二酸化炭素を取り出して空気中に排気することにあります。
その基本となる組織は、肺の中に無数にある「肺胞」と呼ばれる組織です。
空気中の酸素は、次々と分岐する気管支を通り、最終的には肺胞組織にまで到達します。
肺胞は、肺胞に張り付いた肺動脈中に存在する二酸化炭素を抜き出します。そして、空気中の酸素をその血液中に入れて、肺静脈血液として送り出します。
こうして、肺静脈からの血液は心臓へと送られ、全身に酸素を供給するために循環されます。
これが肺胞でのガス交換と呼ばれるシステムです。ガス交換後の空気は、逆の経路を辿って、大気中へと排出されます。
上の図で示すように、肺の組織は複雑になっています。外部から病原体、あるいは何らかの異物が侵入してくると、それぞれの組織が炎症を起こすことがあり、これが〔肺炎〕です。
肺炎の病気には、非常に多くの種類があります。最も基本的なのは、肺胞組織に炎症を起こすもので〔肺胞性肺炎〕と呼ばれます。
それ以外にも、肺胞の「間質組織」に炎症を起こす〔間質性肺炎〕もあります。また、気管支などに炎症を起こす〔気管支肺炎〕などもあります。
肺炎の症状には、多くの共通的な症状が出るほか、発症部位などによっても、それ特有な症状を呈するなど違いがあります。
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肺炎の分類
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肺炎には多くの種類が知られており、それぞれにより発症の仕方や症状が異なります。
それぞれの肺炎は、「肺炎を誘起する原因」や「肺炎の発症部位」、および「肺炎の羅感場所」により分類されます。
「肺炎を誘起する原因」による分類では、肺炎を引き起こす原因が、細菌なのかウイルスなのか、あるいは機械的原因なのか、薬剤性なのかなど、その発症原因で分類します。
「肺炎の発症部位」による分類では、肺炎の主座の存在部位が、肺胞性なのか、あるいは間質性なのかにより分類します。
そして、「肺炎の羅感場所」による分類では、その肺炎が一般生活環境下で発症したのか、あるいは病院内で感染したのかにより分類します。
肺炎の特殊な分類法として、〔定型肺炎〕と〔非定型肺炎〕という分類法があります。通常の肺炎治療薬である「βラクタム系薬剤」が治療効果を示す肺炎は〔定型肺炎〕と呼ばれ、治療効果がない肺炎は〔非定型肺炎〕と呼ばれます。
ここでは、それぞれの分類法により、どのような名称の肺炎があるかを表で示します。
原因による分類
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感染性肺炎
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〔感染性肺炎〕を引き起こす数多くの原因病原体が存在し、その原因病原体の種類などにより次のように分類されます。
・〔細菌性肺炎〕
・〔ウイルス性肺炎〕
・〔マイコプラズマ肺炎〕
・〔クラミジア肺炎〕
・〔レジオネラ肺炎〕
・〔ニューモシスティス肺炎〕
・〔リケッチア肺炎〕
・〔その他の肺炎〕
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機械的肺炎
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〔機械的肺炎〕は、肺に異物を侵入させるなどの機械的原因で引き起こす肺炎で、次のように分類されます。
・〔誤嚥性肺炎〕または〔嚥下性肺炎〕
・〔閉塞性肺炎〕
・〔吸入性肺炎〕
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薬剤性肺炎
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〔薬剤性肺炎〕は、病気治療のための インターフェロンや抗癌剤などの医薬、漢方薬、健康食品などの副作用やアレルギー反応などで引き起こす肺炎です。
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症候性肺炎
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〔症候性肺炎〕は、膠原病が原因となる肺炎で〔膠原病性肺炎〕とか〔膠原病肺〕とも呼ばれます。
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好酸球性肺炎
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〔好酸球肺炎〕は、白血球である好酸球が肺組織に浸潤し炎症を起こす肺炎です。
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放射線肺炎
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〔放射線肺炎〕は、がん治療などに使用する放射線が原因で引き起こされる肺炎です。
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過敏性肺炎
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〔過敏性肺炎〕は、カビや化学物質の吸引により肺胞にアレルギー症状を引き起こす肺炎です。
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発症部位による分類
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肺胞性肺炎
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〔肺胞性肺炎〕は、肺の実体組織である気管支や大葉組織に起こる肺炎で、次のようなものがあります。
・〔気管支肺炎〕
・〔大葉性肺炎〕
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間質性肺炎
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〔間質性肺炎〕は、肺の間質組織に発症する肺炎です。
その中で原因不明のものは〔特発性間質性肺炎〕と呼ばれます。
また、肺内部で発症した肺炎によって産出された異物が細気管支などに蓄積したものを〔特発性器質化肺炎〕と呼びます。
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羅感場所による分類
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市中肺炎
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〔市中肺炎〕とは、ごく普通の日常生活の中で発症した肺炎です。
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院内肺炎
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〔院内肺炎〕とは、病院入院中に感染して発症する肺炎です。
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定型肺炎と非定型肺炎
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定型肺炎
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〔定型肺炎〕は、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌等の細菌による肺炎で、細胞壁に作用するβ-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系等)が効果を発揮する肺炎(一般細菌性肺炎)です。
・〔肺炎球菌肺炎〕
・〔クレブシエラ・ニューモニエ(肺炎桿菌)肺炎〕
・〔インフルエンザ菌肺炎〕
・〔黄色ブドウ球菌肺炎〕
・〔モラクセラ肺炎〕
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非定型肺炎
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〔非定型肺炎〕は、マイコプラズマのように細胞壁を持たないことで、細胞壁に作用するβ-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系等)が全く効果を発揮しない肺炎です。
・〔レジオネラ肺炎〕
・〔マイコプラズマ肺炎〕
・〔クラミジア肺炎〕
・〔コクシエラ菌肺炎〕
・〔RSウイルス肺炎〕
・〔インフルエンザウイルス肺炎〕
・〔パラインフルエンザウイルス肺炎〕
・〔アデノウイルス肺炎〕
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細菌性肺炎
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〔感染性肺炎〕の内で、細菌が原因となって肺の急性炎症を起こす疾患が〔細菌性肺炎〕です。そして、細菌性肺炎の多くは、肺の肺胞と呼ばれる部位に発症する〔肺胞性肺炎〕です。
細菌性肺炎の原因となる細菌には、次のようなものがあります。
肺炎球菌
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肺炎球菌性肺炎が最も典型的な肺炎。これに有効なワクチンがある。
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インフルエンザ桿菌
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多くの人の鼻や喉に常在し中耳炎や喉頭炎などの原因菌で、名称は似ていても、いわゆるインフルエンザウイルスとは全くの別物です。
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連鎖球菌
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光学顕微鏡観察で、連なった鎖のように見える真正細菌で、扁桃周囲膿瘍や猩紅熱、リウマチ熱、急性糸球体腎炎の原因菌です。
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モラキセラ
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口腔や上気道・性器の粘膜に常在する菌です。
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黄色ブドウ球菌
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皮膚や腸に常在する菌で、しばしば食中毒の原因菌です。
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
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ペニシリンの一種であるメチシリンが効かなくなった黄色ブドウ球菌で「MARS」と呼ばれ治療は困難です。免疫力が衰えると呼吸器感染症、腸炎、敗血症などを誘起します。
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クレブシエラ
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肺炎桿菌と呼ばれ、高齢者やアルコール多飲者、ペニシリン系抗生物質服用者に肺炎を発症しやすい。
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緑膿菌
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自然界に常在する菌で、免疫力の低下した人には感染して緑膿菌感染症を誘起する。
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大腸菌
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大腸菌は無害なものも多いが、O157などのように、重篤な食中毒の原因となるものもある。
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嫌気性菌
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無酸素状態でも生育できる細菌。動物の消化管内にぞんざい擦る嫌気性細菌も多い。
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放線菌
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土壌中や一般自然界に広く分布する菌で、病原性を示すものもあるが、ストレプトマイシンなど抗生物質を産出するものもある。
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ノカルジア
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土壌中に分布し粉塵の吸入などで、免疫不全者などに経気道感染する。肺(肺炎・肺膿瘍)や脳、皮下組織、胸膜、心臓などに発症する。
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真菌
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カビの仲間菌で、アスペルギルスやクリプトコッカス、 アスペルギルス、カンジダ、ムーコルなどの種類があり、結核患者や抗がん剤治療者、エイズ患者などに肺炎を誘起する。
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ウイルス性肺炎
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〔感染性肺炎〕の内には、ウイルスによって引き起こされる肺炎もあり、これを〔ウイルス性肺炎〕と呼びます。
ウイルス性肺炎の原因となるウイルスには、次のようなものがあります。
インフルエンザウイルス
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ヒトに感染してインフルエンザを引き起こすウイルスです。
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パラインフルエンザウイルス
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ヒトに呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。
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RSウイルス
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弱いウイルスですが、時に免疫不全者や乳幼児に気管支炎や肺炎などを誘起します。
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アデノウイルス
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扁桃腺やリンパ節中で増殖し炎症を起こすウイルスです。ヒトに感染するアデノウイルスには、49種類が知られています。
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SARSウイルス
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重症急性呼吸器症候群(SARS) の病原体ウイルスで、飛沫感染などで拡散します。
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サイトメガロウイルス
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ヘルペスウイルスの一種で、肺炎やサイトメガロウイルス網膜炎、サイトメガロウイルス髄膜炎、サイトメガロウイルス腸炎などを引き起こします。
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水痘ウイルス
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感染すると水痘や帯状疱疹を引き起こすウイルスで、免疫力が低下すると活性化します。
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麻疹ウイルス
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麻疹を発症させる他、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の原因ともなるウイルスです。
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マイコプラズマ性肺炎
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マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマを病原体とする呼吸器感染症で、抗生物質のペニシリンが効かない特徴があります。小学生を中心とした若年者に多く発症し、主な症状として空咳がでます。肺炎球菌などによる普通の肺炎とは異なるため、非定型肺炎(時には異型肺炎)とも呼ばれます。
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クラミジア肺炎
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クラミジア肺炎は、クラミジア(肺炎クラミジア、トラコーマ・クラミジア)により引き起こされる肺炎です。市中肺炎の中でよくみられ、主に幼児が感染して、乾性の咳、鼻水、鼻づまり、ノドの痛み、発熱と頭痛、嗄声の症状が現われます。マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の薬品の服薬などで治療します。
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レジオネラ肺炎
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通常、土壌や水溜りの中で繁殖するレジオネラ菌が原因で起こる肺炎です。咳、痰、発熱、全身倦怠、呼吸困難、食欲不振などの症状がでます。通常の肺炎と同様な症状です。この病名の由来は、フィラデルフィアのホテルに在郷軍人が集まった際、新種の細菌で肺炎が発生し多数の死者が出たことによります。在郷軍人会を意味するレジオンから、この新種の細菌名がレジオネラと名づけられました。
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ニューモシスティス肺炎
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ニューモシスチス肺炎は、酵母様真菌であるニューモシスチス・イロヴェチを病原体とする肺炎です。免疫能力が高い場合には感染することはなく、化学療法やステロイド剤使用者、後天性免疫不全症候群などにより免疫機能が低下している時に感染する日和見感染症の一つです。痰を伴わない乾いた咳が出て発熱や呼吸困難の症状が現われます。
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リケッチア肺炎
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リケッチア肺炎は、一般細菌より小さな病原体であるリケッチアにより引き起こされる肺炎です。感染すると、発熱し激しい頭痛や悪寒、極度の脱力感、筋肉痛、胸痛などの症状を伴って突然発症します。
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他の感染性肺炎
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細菌やウイルス、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラ、ニューモシスチス・イロヴェチ、リケッチアなどによる肺炎以外にも、真菌や原虫、寄生虫などが原因となる感染性肺炎もあります。
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機械的肺炎
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機械的肺炎は誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)、閉塞性肺炎、吸入性肺炎とに分類されます。誤嚥性肺炎は、高齢者や術後の人に多く、食物、胃内容物、口腔内常在菌を誤って飲み込んでしまって起こる肺炎です。
閉塞性肺炎は、慢性閉塞性肺疾患とも呼ばれ、喫煙や有毒ガス、微粒子の吸引が原因で、気管の炎症や肺胞の破壊により気管が詰まる肺炎で、痰の増加、息切れ、動悸、呼吸困難が起こります。吸入性肺炎(吸引性肺炎)極微粒子などの吸い込みで起こす肺炎です。
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薬剤性肺炎
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薬剤性肺炎は、インターフェロンや抗癌剤、漢方薬など服用や点滴、健康食品やサプリメントによる副作用が原因で発症する肺炎です。薬品や毒物自体の影響、あるいはアレルギー反応などにより肺に炎症を起こします。
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症候性肺炎
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症候性肺炎は、病気などから身体を守る免疫機能に異常が発生し、自分自身の肺を攻撃してしまうために発生する肺炎で、膠原病性肺炎、あるいは膠原病肺とも呼ばれます。症候性肺炎の主なものは、関節リウマチにおけるリウマチ肺です。
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好酸球性肺炎
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好酸球性肺炎は、白血球の一種である好酸球が肺の組織に浸潤をきたし、肺炎を発症する一連の症候群です。症状や状態により、単純性好酸球性肺炎・慢性好酸球性肺炎・急性好酸球性肺炎・ぜんそく性好酸球性肺炎・熱帯性好酸球性肺炎・結節性動脈周囲炎・ウェゲナー肉芽腫などがあります。
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放射線肺炎
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放射線肺炎は、肺がん、および近傍の食道がんや乳がん、胸壁に発生したがんの治療のために放射線照射を行うことがあります。この放射線を浴びることで間質性肺炎や繊維症を起こすことがあります。
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過敏性肺炎
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カビや細菌、真菌、および様々な化学物質や有機物を吸引することで、肺内部の肺胞にアレルギー症状が発生することがあります。過敏性肺炎は、このようなアレルギー反応によって引き起こされるアレルギー性肺炎です。
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気管支肺炎
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肺炎の病変の形態による分類では、〔肺胞性肺炎〕と〔間質性肺炎〕とがあり、〔気管支肺炎〕は、肺内部の気管支壁に肺胞が出現する部分の「細気管支」や「小葉」部分で発生する肺炎です。
近年みられる大部分の肺炎は、このタイプの肺炎で、〔小葉性肺炎〕とか〔巣状肺炎〕とも呼ばれます。
気管支肺炎は、炎症の範囲が細気管支と肺胞を含む小葉に限局している肺炎で、咳や黄色い痰、数日間以上継続した発熱がみられ、食欲低下や全身倦怠の症状が現われます。風邪やインフルエンザ感染後に発症することが多い市中肺炎です。
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大葉性肺炎
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肺を大きく分割している部分である肺葉全域に、肺炎双球菌や肺炎桿菌の感染で発生する肺炎で、クループ性肺炎、あるいはクルップ性肺炎とも呼ばれます。肺の広い範囲に炎症がおよぶため、咳や痰、高熱、呼吸困難、胸痛などの症状が比較的重くなります。
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間質性肺炎
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間質性肺炎は、肺の内部組織である間質組織に炎症を起こす肺炎で、肺胞組織に炎症を起こす通常の肺炎とは異なった症状や経過を辿ります。間質性肺炎の症状には、呼吸困難や呼吸不全などがあり、治療が困難な難病です。
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特発性間質性肺炎
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間質性肺炎の中で原因不明で起こる肺炎を特発性間質性肺炎と呼びます。特発性とは医学用語で原因不明という意味です。安静時には普通に呼吸していても、歩行中や入浴、排便など日常的なちょっとした動作で呼吸困難症状が現われます。また、季節に関係なく乾いた咳がでます。
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特発性器質化肺炎
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膠原病や病原体、放射線照射、薬剤など様々な原因により、肺内部の組織である肺胞や細気管支で炎症が起こると、炎症によって生み出されたものが固まって、器質化物という産物ができます。これが細気管支に蓄積充満した状態を器質化肺炎といい、原因がはっきりしないものを特発性器質化肺炎と呼びます。
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市中肺炎
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ごく普通の日常生活の中で発症した肺炎を市中肺炎と呼びます。病原微生物により、肺炎球菌や肺炎桿菌などの感染による定型肺炎(一般細菌性肺炎)や、多くのウイルスやマイコプラズマなどによる非定型肺炎と呼ばれるものがあります。
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院内肺炎
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院内肺炎とは、何らかの病気治療のために入院中に、肺炎の原因となる微生物に感染して起こるすべての肺炎をいいます。
入院後48時間以内に発症した肺炎は、入院前に感染したと考えられ市中肺炎と呼びます。これに対し、院内肺炎は、入院後48時間以上経過後から、退院後48時間以内に発症した肺炎をいいます。
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