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[ Physical Illness ]

* Illness of Respiratory Organ *
Chronic Bronchitis


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 〔慢性気管支炎〕は、痰を伴う咳が2年以上にわたって出ている状態の病気です。

 これは、〔急性気管支炎〕が慢性化した病気とは全く別の病気です。

 また、〔気管支喘息〕とは異なり、発作的な症状はありません。

 原因には、加齢、性別、アレルギー体質、喫煙、大気汚染、粉塵の多い職場環境などが影響しています。中でも、〔慢性気管支炎〕の最大の原因は、タバコです。



 〔慢性気管支炎〕から、〔肺気腫〕や〔気管支喘息〕などへ移行したり合併してしまうことが多く、これらの病気も含めて〔慢性閉塞性肺疾患〕あるいは略号で〔COPD〕と呼ぶことがあります。

 〔慢性気管支炎〕は40歳以上の人に多くみられ、女性より男性の方が約2.5倍多く発症します。特に、大気汚染の激しい地域の住民や、ガスや粉塵刺激の強い職場で働く人に多く発症します。


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Overview

[ A disease called Chronic Bronchitis ]

What kind of illness is it?

 慢性気管支炎は、持続性あるいは反復性の痰を伴う咳が少なくとも連続して過去2年以上、毎年3カ月以上続く状態をいいます。通常、冬期に症状が悪化しますが、それ以外の時期には落ち着いた状態が続くことが多い病気です。

 この病気の患者のうち、3割くらいの人は一年を通して症状が続きます。なお、この病気は、名称は似ていますが、急性気管支炎が慢性化した病気とはまったく別の病気です。

 慢性気管支炎は、気管や気管支の炎症が慢性的に続くために、持続性あるいは反復性の粘液分泌が続き、粘り気のある痰が切れにくく、咳や痰が続く病気です。

 気管支の表面を覆う線毛(繊毛)は、分泌される粘液により外部からの異物を捕捉し排除する防護機構として働きます。慢性気管支炎では、いろいろな原因によりこの作用がうまく機能しないような状態になります。


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Symptom

[ Symptom of Chronic Bronchitis ]

Typical symptoms

 慢性気管支炎に罹ると、粘液が過剰に分泌され気道が狭くなり、呼吸がしにくくなるため、ちょっとした運動や過労などでもすぐに息切れするようになります。「ヒューヒュー」とか「ゼイゼイ」とした呼吸音が出ますが、気管支喘息のような発作は起こりません。

 通常、気管支炎には「急性気管支炎」と「慢性気管支炎」の2種類があります。これらは別々の病気とされ、その種類により症状も異なります。

気管支炎の種類による症状の違い

急性気管支炎

 急性気管支炎は、多くがウイルスによる感染が原因で起こり、風邪やインフルエンザに似た症状になり、咳や痰が出るほか、発熱、悪寒、喉の痛み、全身の倦怠感を伴います。

慢性気管支炎

 慢性気管支炎では、咳や痰が出ますが、発熱や全身の倦怠感などの症状は現れません。



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cause

[ Cause of Chronic Bronchitis ]

Typical Causes

 呼吸に伴い気管や気管支に刺激性の化学物質が入ってきたり、アレルギー物質、ほこりやタバコの煙、大気汚染物質などが入ってくると、それらの物質に刺激されて、気管支の表面からの粘液分泌が増えたり、線毛が減少したりします。これらは加齢や細菌・ウイルス感染などによっても起こりますが、最大の原因は喫煙習慣です。

 増加してしまった粘性の強い痰は、喉の外に押し出されにくくなり、咳によって押し出すようになります。咳き込む結果、気管や気管支は傷つきやすくなり炎症がますます深まることにもなり、終にはこのような症状が慢性化してしまいます。

 最大の原因となるのはタバコですが、発症させるメカニズムは概ね次のようになります。

喫煙の影響

タバコが誘発する症状

 ・喫煙の煙の刺激で、痰が絡み咳が出やすくなる。
 ・咳き込むことで、気管支の粘膜が損傷する。
 ・煙で気管の粘膜細胞にある線毛が損傷し弱くなる。
 ・刺激物を排出する機能が損なわれ、痰が排出しにくくなる。
 ・ますます、咳き込むようになり症状が悪化する。



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Diagnosis

[ Diagnosis of Chronic Bronchitis ]

Typical diagnostic method


慢性気管支炎の診断方針

 慢性気管支炎は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれる病気群の一つで、肺気腫や気管支喘息などと合併している場合があります。このため、慢性気管支炎を正しく診断するには、いくつかの診断ポイントがあります。

 慢性気管支炎の検査は、「喀痰検査」と「肺機能検査」によって行われます。更に、他の病気との合併などを調べるために、胸部X線撮影やCT検査、血液検査を行うこともあります。

診断のための検査

 咳や痰が2年以上続き、冬季には3か月以上ほぼ連日痰が切れないような状態があって、しかも、喀痰検査や肺機能検査の結果から、他の病気が認められない場合は、慢性気管支炎と診断されます。

慢性気管支炎診断のための検査

喀痰検査

 朝、起きたときに出る痰を採取し、その量や色、粘度、細菌の有無、気管支壁からはがれ落ちた細胞や白血球などを検査。

 細菌による感染が疑われる場合は、喀痰を培養して原因となっている細菌の種類を確認。

肺機能検査

 肺活量に対して1秒間に吐き出せる空気量の割合を検査し、この数値(1秒率)が低下していれば、この病気の可能性があり、病気の重症度が分かります。



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treatment

[ Treatment of Chronic Bronchitis ]

Typical Treatment

 慢性気管支炎の最大の原因は、喫煙なので、もしこの病気に罹ったら、喫煙だけは無条件で止めなければいけません。初期段階であれば、これだけで好転する可能性があります。

 痰がたまると細菌が繁殖しやすくなるので、この病気の治療では痰をスムーズに排出することが先ず重要です。このための薬物治療として去痰薬が使用されます。また、気道の閉塞感が強い場合は、気管支拡張剤を併用することがあります。更に症状が重症の場合には、在宅酸素療法が必要となることもあります。

 この病気の他に感染が加わった場合は、抗生物質が処方されることもあります。処方された薬剤は、完治するまでは、きちんと服用することが絶対的に重要です。日常生活のうえで、痰をスムーズに排出するには、十分な水分摂取も必要です。

慢性気管支炎の予防

 慢性気管支炎の最も重要な発症原因が喫煙であることから、禁煙は絶対条件ですが、禁煙も含め、次のような生活習慣の改善なども予防効果があります。

生活習慣の改善

禁煙

 喫煙は最も悪い原因であり、痰や咳を悪化させるので無条件に禁煙が必要

埃や冷気

 気管や気管支を刺激するほこりや冷気を避ける

飲食物

 刺激性の強い飲食物は避ける

環境

 在宅時は、室内の換気を心がけ、外出時には、細菌感染を防ぐためになるべく人混みを避ける。

インフルエンザや風邪対策

 風邪やインフルエンザが誘因となるので、風邪をひかないようにすること、インフルエンザに対しては積極的にワクチンを受けるようにします。