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[ Physical Illness ]

* Infectious Diseases *
Infectious diseases type IV
(Tularemia)


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 〔野兎病〕は、感染症法の四類感染症に指定された疾患であり、野兎病菌を原因とする人獣共通感染症です。

 野兎病菌は、グラム陰性、非運動性、無芽胞性、好気性桿菌です。

 野兎病は、野兎病菌に感染したノウサギ(野兎)やプレーリードッグ、野生げっ歯類などに感染します。



 ヒトには、これらの動物に直接接触したり、肉や血液に接触することで感染します。また、ノミやダニ、蚊などを媒介して経皮的に感染したり、飲食物を介して経口的、経気道的に感染することもあります。

 野兎病のヒトからヒトへの感染は起こりません。


 野兎病菌には、三つの型があり、北米型は症状が重症となりますが、日本で見られる型は軽症です。

 野兎病菌は極めて感染力が強い菌であり、北米型は生物兵器としての使用が懸念されています。

野兎病の分類
潰瘍・リンパ節型

 潰瘍・リンパ節型は全体で45~80%あり、特にリンパ節型が10~25%あります。

目・リンパ節型

 汚染した手で目を擦るのが原因で、5%未満です。

敗血症型

 5%未満です。

口・咽頭部型

 5%未満です。

胸膜・肺型

 5%未満です。  野兎病の感染期間は、1~14日です。発病は突発的で、38~40度Cの発熱、悪寒、頭痛、気分不快、背部痛など全身の痛み、鼻かぜ、咽頭炎、咳、胸痛などの症状で発症します。

 直ちに治療を開始しないと、これらの症状は何週間も持続し、発汗、悪寒、体力消耗、体重減少などを呈するようにまります。野兎病菌がさらに広がると、肺炎や敗血症、髄膜炎などを起こすこともあります。

 野兎病菌は、粘膜だけでなく皮膚からも侵入する特徴があり、通常、侵入した部位で増殖し潰瘍を形成します。侵入部位付近のリンパ節で炎症を起こし、さらに別のリンパ節へと炎症を拡大してゆきます。野兎病は、最初に症状が出現した部位により分類されます。

 野兎病は、北米、ロシアなど主に北半球で発生し、日本国内では東北、関東での発生がみられます。農業従事者や狩猟者、本菌を扱う研究者が感染することが多い病気です。日本では1999年の1例以降の発症はありません。

 尚、この病気の原因菌である野兎病菌は、英語では、「Francisella tularensis」と呼ばれます。