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[ Physical Illness ]

* Disease of Cancer *
Neck Tumor


頚部の模式図

 一般に「頚部」とは、頭部と胴体とを繋ぐ身体部位をいい、いわゆる「首」のことを指しています。

(図は「gooヘルスケア」より引用し文字部は一部改変)



 この頚部にもいろいろな悪性腫瘍が発生しますが、それらを総称して 〔頚部がん〕 と呼びます。

 主な頚部がんには、〔上咽頭がん〕や〔中咽頭がん〕〔下咽頭がん〕および〔喉頭がん〕があります。

 頚部がんは、その発生部位により性質も異なるのですが、大部分の頚部がんの組織型は「扁平上皮がん」というタイプです。

 それぞれのがんの症状的特徴は、次の表で示すようになっています。

主な頚部がんの種類と症状的特長

上咽頭癌

 耳閉感、難聴、複視、リンパ節転移による頸部腫瘤など

中咽頭がん

 咽頭違和感・異物感、粘膜びらん、潰瘍、腫瘤、嚥下困難など

下咽頭がん

 咽頭違和感・異物感、嗄声、嚥下困難など

喉頭がん

 嗄声、咽頭異物感、呼吸困難など


〔中咽頭がん〕や〔下咽頭がん〕〔喉頭がん〕は、過度の喫煙や飲酒が大きな発生要因となっていて、中高年男性に好発します。

 〔咽頭がん〕の患者は、圧倒的に喫煙者に多い点が特徴です。ヘビースモーカーは〔咽頭がん〕になる覚悟をしておくべきです。


頚部のがん ◆頚部のがんにはこんな病気があります。

上咽頭がん

 〔上咽頭がん〕は、咽頭の最上部、鼻腔の後方にできる悪性腫瘍で、好発年齢は40~60歳代です。発生原因には「EBウイルス」の感染が関与しているとされます。

 このがんの組織型は、未分化がんや低分化扁平上皮がんが多い傾向にあります。リンパ節や遠隔転移しやすい特徴があり、注意が必要です。

 上咽頭部は、手術が困難ですが、化学療法や放射線療法が効果を発揮しやすい性質があり、通常は化学療法や放射線療法で治療が行われます。

中咽頭がん

 上図でも分かるように、中咽頭は口腔うより後方の部位をいいます。ここに出来る悪性腫瘍には、「上壁型」や「前壁型」「側壁型」および「後壁型」があります。下咽頭や食道との重複がんの可能性も高いです。

 〔中咽頭がん〕の重要な発生原因は、重度の喫煙や飲酒の二つです。また、ヒトパピローマウィルス(HPV)感染の関与もあるとされています。

 中咽頭のどの部位にがんが発生したかにより、治療法は異なります。がんの組織型に合わせて、手術療法や化学療法、放射線療法が使用されます。

下咽頭がん

 〔下咽頭がん〕は、喉頭蓋より後方部位にできる悪性腫瘍で、「梨状陥凹型」や「後壁型」「輪状後部型」に分類されます。

 このがんの重要な発生因子は、重度の喫煙や飲酒です。中咽頭や食道との重複がんの頻度が高い特徴があります。

 このがんは、初期の頃には無症状なため、早期発見が困難であり、多くの場合、発見時にはかなり進行したがんになっています。また、遠隔転移しやすい特徴もあり、頚部がんの中では最も予後不良です。

喉頭がん

 〔喉頭がん〕には、声帯にできる〔声門がん〕、声帯より上部にできる〔声門上がん〕、声帯の下部にできる〔声門下がん〕があります。

 〔声帯がん〕の主要な原因は喫煙で、〔声門上がん〕では、喫煙に加えて飲酒が発生原因となります。

 〔声門がん〕では、初期の段階から「嗄声」の症状が出てくるので早期発見が可能ですが、〔声門上がん〕や〔声門下がん〕では、さしたる自覚症状が出ないために、発見された段階では、かなり進行していることが多いです。

 治療は、がんの治療だけでなく、音声機能を保存することを考慮して行われます。