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[ Physical Illness ]

* Illness of Allergy *
Relation between Allergy and Immunity


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 ある種の物質の摂取や物質との接触により、体外から人体内へ侵入する異物に対して、体内の免疫反応は、異物を撃退するための「抗体」を作ります。

 そして、既に抗体が存在する物質が二度目以降に再摂取されたり、再接触されると「抗体抗原反応」が起きて、その異物を排除しようと作用します。

 本来、免疫反応は外部からの異物を排除するための、生体にとって重要な生理機能ですが、アレルギー症状とは、この抗体抗原反応が過剰に作用し、異常に強く出すぎてしまうことで人体に打撃を与えてしまう状態をいいます。



 人や動物の身体が持つ「免疫」とは、読んで字の如く「疫病を免れる」という意味で、伝染病などの危険な疫病や、無数に存在する病原体、有害物質などから身体を守る大切な働きをしています。

 私たちの周囲には、無数の病原体をはじめいろいろな物質が多数存在し、いつでも人体内に侵入してくる危険性があり、それらの危険から身体を守る働きをするのが免疫なのです。


免疫の本質 ◆免疫の本質は、どのようなことなのかご説明します。

免疫の本質と
アレルギー

 免疫機能の本質は、自分自身の身体を構成している皮膚や内臓、筋肉、骨、血液などの全ての組織や体液を「自己」として認識し、それ以外の外部から侵入してくる物質や身体内部で予期せず生成される物質を「非自己=異物」として区別することです。

 免疫は生体の恒常性を維持するために重要な役割をしていますが、この機能が過剰に作用したり、機能が破綻したりすることがあり、本来守るべき身体を攻撃し、身体の一部に炎症を起こさせたり損傷を与えることがあります。このような、生体にとって不利益となる免疫の作用は「自己免疫疾患」とか「アレルギー」あるいは「過敏症」と呼ばれます。

免疫系の種類

免疫機構には、「自然免疫系」と「獲得免疫系」という二つの反応系があり、一方は生まれながらに備わった免疫系で、もう一方は生存期間中に学習していく免疫系です。

免疫系の種類

自然免疫系

 自然免疫系は、全ての動物に備わっている最も原始的な免疫機構で生まれつきもっている免疫系です。外部から「異物」が侵入してくると、マクロファージ(大食細胞)や樹状細胞と呼ばれる細胞が働き、異物を食べたり、無毒化して身体を防御します。

獲得免疫系

 獲得免疫系は、脊椎動物にだけ備わった高度な免疫機構で、いろいろなアレルゲン(抗原)に感染することで身につく免疫系で、主役は「リンパ球」などです。自然免疫系で撃退しきれないときに働きだします。



アレルギー反応の感作と抗原抗体反応 ◆アレルギー反応の感作と抗原抗体反応についてご説明します。

アレルギー反応の感作と抗原抗体反応

 体内にアレルギーを引き起こす原因である細菌やウイルス、異物などのアレルゲン(抗原)が侵入してくると、これを検出して、抗体が作られ、外敵を排除する免疫機構が働きます。

 免疫機構の作用は、一度目に侵入してきたアレルゲン(抗原)を認識し、それに対応した抗体を作り、その抗体が肥満細胞に結合して将来の戦いに備えて準備する「感作の成立」過程と、同じ抗原が二度目に侵入してきたときに感作している肥満細胞に抗原が結合する「抗原抗体反応」の段階とがあります。

 最初の抗原の侵入により抗体が作られるため、同じ抗原が二回目に侵入してきた時には、一度目よりも素早く反応して、外敵を撃退することができるようになるのが免疫機構の基本的な働きです。アレルギーはここに異常が起こって発症するのです。

 たとえば、蜂に刺されたときを考えてみます。1回目に刺されると、痛い思いをした上に蜂毒が体内に入りますが、アレルギー反応は起こりません。しかし、体内では、二度目以降に蜂さされたときに、同じ蜂毒に対抗する準備として、「感作」という過程が成立します。二度目以降に刺されると、「抗原抗体反応」が過剰に作用して、アレルギー反応が起こります。

感作の成立

感作の成立

 将来アレルギーを起こすような、アレルゲン(抗原)が体内に侵入すると、リンパ球の一種である「ヘルパーT細胞」の表面にある受容体がこれを認識します。

 抗原の侵入を認識したヘルパーT細胞は、生活活性因子(サイトカイン)という物質を放出して、外敵の侵入をB細胞に伝達します。

 これを受けたB細胞は、この抗原に対応した「IgE抗体」を産生します。そしてこのIgE抗体は、肥満細胞に結合して、「感作状態」が成立します。これにより、二度目に同じ抗原(外敵)が侵入してきたとき、すぐに撃退作用が開始できるような準備が整うのです。

抗原抗体反応

抗原抗体反応

 アレルゲン(抗原)が二度目に侵入してくると、既に感作された肥満細胞が存在することで、抗原と感作済みの肥満細胞とが結合し、肥満細胞が活性化されて、抗原を撃退するための戦いである「抗原抗体反応」が起こります。

 この戦いで外敵である抗原が撃退されてしまえば、「免疫」が作用して生体防御機構が勝利したことになります。しかし、この戦いが簡単に決着しないで長引くときには、過剰な抗体抗原反応が起こり、次に示すようなアレルギー症状へと向かうのです。

 肥満細胞の中には、多数の大きな顆粒が詰まっていて、この顆粒の中にあるヒスタミンやセロトニン、ブラジキニン、SRSなどの化学伝達物質があります。肥満細胞の活性化によって、これらの物質が細胞外に放出されるとともに、細胞膜の一部が分解されて「ロイコトリエン」などの化学伝達物質も生成されるようになります。

 これらの化学伝達物質には、強い活性があり、平滑筋の収縮や粘膜のむくみを起こしたり、粘液の増加により血管拡張を引き起こすなどして、さまざまな作用をもたらし、結果的に、くしゃみや蕁麻疹などのアレルギー症状を発現することになります。