ステロイド薬による副作用は、使用量と使用期間などにより変わります。プレドニゾロン換算での投与量が少なければ、副作用も軽度となり、投与量が少し多めになると副作用は中等度に、大目の場合には重度な副作用を伴う可能性が高くなります。ここに主な副作用を示しておきますが、軽度、中等度、重度の分類・仕分けは一例に過ぎず、副作用の現れ方は多様です。
程度
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症状
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備考
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軽度
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食欲亢進 体重増加 ムーンフェイス
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異常に食欲が亢進し食べすぎてしまうようになります。ステロイドは、脂肪の代謝にかかわり、血液中のコレステロールや中性脂肪を高めます。首の周り、肩、胴体に肥満が起こり、体重が増加するとともに、ステロイド薬の典型的副作用であるムーンフェイスとよばれる満月のように顔がまん丸に膨らんでしまう症状が起こります。
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にきび 発疹
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顔や身体のいたる部位に数多くのにきび様の発疹が現れます。
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多毛症
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全身的に濃い目のうぶ毛が多数生えてきます。
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皮下出血 皮下溢血 紫斑
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皮膚が薄く弱くなり、打撲もしていないのに打ち身のような皮下出血が起こり、紫色の斑点がでたりします。皮膚が薄くなりシワやスジがでる萎縮性皮膚線条や褐色のシミ状色素沈着が起こります。
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多毛症
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全身的に濃い目のうぶ毛が多数生えてきます。
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月経異常 性欲減退
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男女ともに性腺機能に大切な性ホルモンを抑制してしまい、女性では月経不順、無月経、無排卵などが起こり、男性では、性欲低下、インポテンツなどなどの症状がでます。
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興奮 不眠
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ステロイド薬の効果で、精神障害が起こり、興奮状態となり不眠になります。
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浮腫 低カリウム血症 多飲 多尿
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血液中のカリウムが減少するため、筋力低下や四肢(手足)がまひする症状が現れる。その他のどが渇き多飲することによって浮腫が起こり、尿量が多くなる。
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中等度
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白内障 緑内障
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比較的多い量のステロイド薬を年単位などの長期間使用すると、目のレンズが曇ってくる白内障や、眼球中の水分の流れが悪くなり眼圧が上がる緑内障などの副作用がでてきます。定期的な眼の検査が不可欠となります。
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骨粗鬆症
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骨を生成する骨芽細胞を抑制し、骨吸収を促進してしまうために、骨租しょう症が起こり、骨量の減少や骨がもろくなり折れ易くなります。骨吸収抑制剤などの服用が必要となります。
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血栓症
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血管内または心臓内に凝血が形成されてしまう。血管が弱くなり、出血しやすくなります。
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重度
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無菌性骨壊死
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骨の末端部分の細胞が壊死し壊れるために、大腿骨の骨盤に入っている部分が痛み、酷くなると変形したり、骨折しやすくなります。
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易感染症
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ステロイド薬の使用量が多かったり、長期間のみ続けると感染症を起こしやすくなります。しかし、それほど頻度は高くない。
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糖尿病
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血糖値をコントロールするインスリンの分泌作用が低下し、糖尿病になる可能性が高くなります。また、この状態が長期間続くと、血管障害、腎障害、神経障害、視力障害などの合併症が起こることもあります。
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高脂血症
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血液中のコレステロール、中性脂肪などの脂肪成分が増え、それにより動脈硬化が進行します。
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胃潰瘍 十二指腸潰瘍
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胃の粘膜にあるプロスタグランディンという物質が減少し、胃の保護作用が弱まる結果、胃潰瘍などが出きやすくなります。
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高血圧
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ステロイド薬が体内のナトリウム量などに関係し直接的、間接的に血圧を高める作用をもちます。
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精神障害 多幸症
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やや特異な副作用として、多幸症と呼ばれる病的高揚状態になることもあります。深刻な状況にあっても、悩むことなく幸せな気持ち一杯に感じてしまう状態です。
また、躁状態、うつ状態が起こることもあります。
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副腎皮質不全
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副腎皮質の機能が低下する結果、だるさ、疲れ易さ、筋肉や節々が痛む関節痛が起こり、ストレスにも弱くなります。
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ステロイド筋症
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筋肉細胞成分が分解し、細胞が小さくなったり、繊維化してしまいます。程度によって、筋力低下や筋肉細胞が繊維化して脂肪細胞に変化していまうものまであります。
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ショック
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長期間ステロイド薬を飲みつづけていると、体内に薬による充分なステロイドが存在するために、副腎でのステロイド生成が休止状態となります。この時ステロイド薬を急に減らしたりやめてしまうとショック症状が起こる可能性があります。
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