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[ Physical Illness ]

* Disease of Cancer *
Treatment of Cancer
(Multidisciplinary cure)


 〔がん〕の基本的治療法には、原発巣(発生場所)だけに限られるがんを対象とした「局所的治療法」と主に転移してしまったがんや血液のがんなどに用いられる「全身的療法」とがあります。

 代表的な局所療法には、外科手術によりがん自体を取り去る「外科手術療法」と放射線を照射してがんを消滅される「放射線療法」とがあります。

 全身的療法には、抗がん薬(抗がん剤)や抗ホルモン薬、分子標的治療薬などを用いる化学療法(薬物療法)があります。



 がん患者の状態は、がんの種類やがんの進行度などにより様々であり、単独の治療法だけではうまく治療が進まないこともあります。そのため、最近では、外科手術を主たる治療法とはするものの、手術の前後で、化学療法や放射線療法を併用して完治を目指す治療法が一般的になってきました。

 外科専門医や医薬の専門家、更に放射線治療の専門医など、各分野の専門家が協力して治療に当たることでがんの完治を目指すのです。このように各分野の専門家が協力しながら行う治療法を「集学的療法」とか「集学的医療」などと呼んでいます。

 集学的療法は、がん患者が十分なインフォームドコンセントを受けるためにも重要です。特に、進行がんの治療に当たっては、そのような体制の整った病院で治療してもらうことが治療を成功させるためには重要となります。


がんの集学的治療法 ◆ がんの集学的治療法をご説明します。

集学的治療法の方法

 典型的な集学的療法は、外科手術で原発巣や転移の可能性のあるリンパ節の郭清(除去)を行い、その前後で、化学療法や放射線療法を組み合わせて行われます。

 集学的療法が特に効果を発揮するがんには、乳がんや卵巣がん、肺がん、膀胱がんなどがあります。

 典型的な集学的療法には、「ネオアジュバント療法」と「アジュバント療法」の二つがあります。

典型的な集学的療法

ネオアジュバント療法

 ネオアジュバンド療法(neoadjuvant therapy)は「術前化学療法」あるいは「新補助化学療法」とも呼ばれる療法です。

 ネオアジュバンド療法では、抗がん薬を使ってがん病巣を縮小させてから、外科手術を行い、がんの完全除去を目指します。

アジュバント療法

 アジュバンド療法(adjuvant therapy)は、「術後化学療法」あるいは「補助化学療法」と呼ばれる療法です。

 アジュバンド療法では、外科手術では完全にがん細胞を除去できなかったか、できなかった可能性のあるがんに対し、再発予防のために手術後に抗がん薬を用いて治療する方法です。