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[ Physical Illness ]

* Infectious Diseases *
Infectious diseases type IV
(Japanese encephalitis)


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 〔日本脳炎〕は、感染症法の四類感染症の疾患であり、フラビウイルス科フラビウイルス属の日本脳炎ウイルスに感染して起こる脳や脊髄などの中枢神経にダメージを与える感染症です。

 日本脳炎は、東アジア・南アジアにかけて広く分布しています。

 日本脳炎ウイルスは、ブタやウマ、サギ類などの動物の体内で増殖し血液中にでてきます。



 ブタなどの増殖動物の体内で一旦増殖し血液中に出てきた後、コガタアカイエカなどの蚊が吸血し、ヒトを刺すことによって感染します。日本脳炎のヒトからヒトへの感染は起こりません。

 ブタの血液中には多量のウイルスが存在し、しかもブタは飼育期間が短く毎年感受性の高い個体が供給されること、コガタアカイエカはブタを好んで刺すことなどから、ブタは最適な増殖動物となっています。


 日本脳炎ウイルスを持つ蚊に刺されても、ほとんどの場合は何の症状も出ない不顕性感染で経過します。感染しても日本脳炎を発病するのは100~1000人に一人程度だけです。

 感染後症状がでる場合には、6~16日間の潜伏期間の後に、数日間の38~40度C、あるいはそれ以上の高い発熱、頭痛、悪心、嘔吐、目眩などの症状で発病します。小児ではしばしば腹痛、下痢の症状も現れます。

 これらの症状に引き続き、急激に項部硬直の症状が出たり、光に対する過敏症、種々の段階の意識障害、神経系脳障害を示唆する症状を呈します。神経系脳障害では、筋強直、脳神経症状、不随意運動、振戦、主に上肢の麻痺、病的反射、脊髄障害、球麻痺症状などが現れます。

 日本脳炎感染者の発症率は、0.1~1%程度で大部分は不顕性感染となり無症状で終わるのですが、脳炎を発症した場合には、死亡率は、20~40%となります。特に、幼少児や老人では死亡率は高くなります。

 生存者の45~70%には、精神神経学的後遺症が残ります。特に小児では、パーキンソン病のような症状や痙攣、麻痺、精神発達遅滞、精神障害などの重度の障害が残ることが多いです。

 世界では毎年、3~4万人が発症しています。近年、日本で日本脳炎を発症した患者は主に中高齢者で、年間数名の発生があります。九州、沖縄、中国・四国地方などに多く発症しています。