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〔ボツリヌス症〕は、感染症法の四類感染症に指定された疾患であり、ボツリヌス菌が作り出す神経毒素であるボツリヌス毒素により、引き起こされる感染症です。 |
ボツリヌス菌は、毒素の抗原性の違いによりA型~G型に分類されていて、ヒトに感染し中毒症状を起こすのは、A型、B型、E型、F型です。 |
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〔ボツリヌス症〕は、感染・発症の形態が異なることでの5つの型に分類されています。 |
ボツリヌス症の型 |
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食中毒型 |
ボツリヌス菌の芽胞が食品に混入し、食品を無酸素状態で保存すると菌が発育・増殖し、その食品を摂取しておこる食中毒です。 |
乳児ボツリヌス症 |
乳児が食品に混入したボツリヌス菌を摂取すると、菌が腸管内で発育・増殖してできた毒素が腸管から吸収されて発症します。 |
創傷ボツリヌス症 |
交通事故などで受傷した部位に菌が侵入したりして、皮下組織や血液中で菌が発育・増殖してできた毒素により発症します。 |
胃手術後細菌侵入型 |
胃の手術時に抗生物質などで腸内細菌叢(そう)が乱れ、そこにボツリヌス菌が侵入して発症します。 |
原因不明型 |
ボツリヌス毒素は細菌化学兵器となりうるため、上記に含まれない原因不明のものをいいます。 |
ボツリヌス症の感染期間は、経呼吸器・経消化管などの感染経路と暴露された毒素量、芽胞量により異なりますが、通常は数時間~48時間とされています。 |
ボツリヌス症の症状 |
消化管・泌尿器障害 |
通常は腸管の蠕動障害による便秘、吐き気、嘔吐、腹痛、嚥下困難、排尿障害、口の渇き、発汗障害、下痢などの症状が見られます。 |
視角異常 |
眼筋の麻痺による複視、瞳孔散大、対光反射の消失、めまい、眼瞼下垂がみられます。 |
呼吸器障害 |
呼吸筋麻痺、呼吸困難症状が現れます。 |
運動筋障害 |
四肢筋力の低下、歩行障害、構音障害などの症状がでます。 |
血圧調節障害 |
起立性低血圧症による立ちくらみ症状がでます。 |