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[ Physical Illness ]

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(Angiostrongylus cantonensis)


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 〔広東住血線虫症〕は、広東住血線虫の幼虫が体内に侵入し寄生することにより引き起こされる人獣共通の感染症です。

 病原体である「広東住血線虫」の最終宿主はネズミであり、ネズミから排泄された第1期幼虫は中間宿主のナメクジなどに摂取され、第3期幼虫にまで生育します。



 このナメクジなどがネズミに摂取されると、この幼虫は中枢神経に移動し第5期幼虫にまで発育し、肺動脈に移動して成虫となります。成虫は体長22ミリほどになります。

 ヒトでは、感染した中間宿主を摂取することで感染し寄生が成立します。広東住血線虫が寄生するアフリカマイマイを生で食べるなどで感染するといわれています。


 口からヒトの体内に侵入した幼虫は、胃壁や腸壁から血液やリンパ液に乗って全身に回り、やがて脳や脊髄など中枢神経系に集まります。中枢神経系に寄生した幼虫自体は成虫になることはなくやがて死滅しますが、髄膜脳炎などの重篤な症状を引き起こします。

 脳や脊髄に幼虫が侵入すると、幼虫が体内に侵入してから2週間ほどして、〔好酸球性髄膜脳炎〕や〔脳性麻痺〕などの症状を引き起こします。激しい頭痛、発熱、顔面麻痺、四肢麻痺、痙攣、神経異常などを起こし、昏睡や意識不明、更には死に至ることもあります。

 特効薬がなく、線虫が自然に死ぬのを待つしかありません。線虫の体内での生存期間は1か月ほどで、やがて死滅し体外に排泄されます。

 広東住血線虫症は、台湾やフィリピンなどの熱帯・亜熱帯地域に分布する寄生虫により発症しますが、日本では、沖縄を中心に発生する例があります。