ヘルペスウイルスの感染経路は、上気道感染したウイルスが嗅神経を経由したり、血流に乗って、よく発症する部位である側頭葉・大脳辺縁系を侵すと考えられています。
ヘルペスウイルスの潜伏期間は2~12日間(平均6日間)です。
新生児ヘルペスでは、産道感染したHSVが血流により全身に広がり血液脳関門を通過して中枢神経に到達しますが、年長児・成人では神経行性にウイルスが好発部位である側頭葉、大脳辺縁系に到達し病変を起こします。このため、新生児ヘルペス脳炎と、小児期・成人でのヘルペス脳炎とでは病態が異なります。
新生児・小児期での発症はHSVの初感染によって発症するのに対して、年長児・成人ではヘルペスウイルスの再活性化により発症します。
日本では年間、100万人に1人、300~400例が発生するとされています。以前には日本における死亡率は30%ほどありましたが、抗ウイルス薬の導入以降は10%以下に減少し、約30~50%の社会復帰しています。
尚、単純ヘルペスウイルスの1型、2型の略号や英語表記は次の通りです。
- HSV-1:herpes simplex virus type 1
- HSV-2:herpes simplex virus type 2
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